元気が出るお金の話|住宅ローン支払い開始前に、家計を整えるには?

相談者:Tさん(熊本県在住)
夫42歳(会社員)、妻32歳(会社員)、長男4歳、長女2歳
Q.住宅ローン支払い開始前に、家計を整えるには?
熊本地震後に二世帯住宅を建てました。父とリレー型でローンを組み、現在は固定資産税も含めて父が支払いをしています。そのため、ローン支払いは10年程度先になると思っています。
収入に関しては、妻が昨年の4月に育休明けで時短勤務で復帰後、8月に時短解除のフルタイム勤務に戻り、最初の収入金額で記載しています。その前の数カ月は3万円程度少ない額でした。
今後、第3子を希望しており、子どもの習い事や将来の学費などを視野に入れ、蓄えを増やしつつ、将来控えている住宅ローンを無理なく支払える支出に整えたいと思い、相談させていただきました。
入出金の記録はとっているものの、カード払いと現金払いで支払いがつかみにくいことや、保険などの支出の多さも気になっています。車のローンも残っており、8月と12月のボーナス月は2台で14万円の支払いになります。家計簿に記載した項目以外にも、ネットショップで突発的な支出が月1~2万円増えることもあります…。
まず、どこに手を入れればいいか、どのように将来に備えるべきか、ご教授いただければ幸いです。

A. 住宅費と教育費がかからない今、できるだけ貯蓄を
食費を減らし、ふるさと納税、自動車ローン繰り上げ返済も検討を
家計の見直しを考える時には、どこから手を付けるかより、貯蓄の目的・目標を立てて、それに向けて家計を考えてみてはいかが?
現在、毎月の黒字とボーナスの黒字合わせて年間約212万円ためることができていますね。例えば、この調子で10年後まで2000万円ためる目標を持つ、というのはどうでしょう?
一般的に、子どもが小さな時期は、教育費などのため時と言われています。そのうえ、住宅費がかからないのであれば、貯蓄できるチャンスです。今、しっかりと貯蓄すれば、住宅ローンの返済が始まる前に大学等の学費を確保できます。
子どもが中高生になると、今以上に食費、部活や塾、レジャーの費用などの負担が多くなります。そのような時でも余裕を持てるように、ためておくことが重要でしょう。
10年後、月々約11万円の住宅ローン返済が始まってからも現状の家計で過ごした場合、年間約77万円ためられそう。ですから、今のままでもよいように思いますが、強いて言うならば食費。外食の回数を減らし、ふるさと納税をしてお米や食品を返礼品にするなど、工夫しても良いと思います。
Tさんの年齢からお父さんの年齢を予想すると、今後10年間、住宅ローン返済が可能なのか疑問です。就業は何歳までか、年金受給になっても返済できるのか、介護が必要になった場合はどうするのか、お父さんとよく話し合ってくださいね。
自動車ローンの金利も気になります。繰り上げ返済し、金利分を節約することも検討しましょう。
回答者 髙杉雅紀子さん
監修 安田まゆみさん
東京・銀座の「元気が出るお金の相談所」所長。FP歴27年目(CFP認定者)。
これまでの相談件数7000件以上、講演回数1000件を超える。
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掲載元: 「リビング熊本」2025年2月22日号掲載
「リビングかごしま」2025年2月22日号掲載
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髙杉 雅紀子
ファイナンシャルプランナー
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定)、住宅ローンアドバイザー、スカラシップ・アドバイザー。地域支援団体の代表も務める。子育て世帯からの相談実績多数。