お彼岸には何をお供えする?品物の選び方や金額の相場などマナーを紹介
お彼岸には、ご先祖様へのお供えを用意するのが一般的です。自宅の仏壇に備えるだけでなく、実家や他家へのお供えを用意しなければならないケースもあります。 本記事では、お彼岸にお供えする品物の予算相場やお供えに選ぶといいものを紹介します。お供えを用意する際のマナーなども、あわせてチェックしていきましょう。
お彼岸のお供えの相場は3,000~5,000円

お彼岸に用意するお供えの相場の金額は、3,000~5,000円です。明確なルールはなく、一般的なお供えの中から相場の金額に該当するアイテムを選んで問題ありません。
誰にお供えをするかによって、ランクを上げることも可能です。例えば生前お世話になった方の初めてのお彼岸には、5,000~10,000円程度で検討してもいいでしょう。
お彼岸のお供えの品物の選び方

仏壇に供えるお彼岸のお供えには何を用意すればいいのか悩んでいる方向けに、おすすめの品物や選び方を紹介します。現金からお花までさまざまな品物がお供えとして選ばれますが、送る相手との関係性なども踏まえて、適切な品物を考えてみましょう。
お菓子・食べ物
お彼岸のお供えとして定番なのが、お菓子などの食べ物です。日持ちする焼き菓子やおかきなどは、親族で小分けにしやすいため喜ばれます。
和菓子から洋菓子までさまざまなラインナップがあり、どれを選んでも誰からも喜ばれやすいのがメリットです。
また、百貨店ではお彼岸の時期になると、あらかじめお彼岸用としてセットが販売されていることもあります。
線香
普段より少しランクの高い線香を、ご先祖様へのお供えとして贈る方法もあります。仏教では線香の香りは穢れを払うと考えられており、お供えとしては定番のアイテムです。
お彼岸のお供えとしては、木箱に入ったもの、ろうそくとセットになったもの、桜やビャクダンなどの高級感のある香りを楽しめるものがおすすめです。
贈答用の線香も多数販売されているため、お供えの内容に悩んだときにはチェックしてみるといいでしょう。
故人が好きだったもの
故人と生前関係が深かった場合は、故人が好きだったものをお彼岸のお供えとして贈ることもおすすめです。食べ物のなかでも故人がひいきにしていたお店のお菓子や食材、果物などを用意するといいでしょう。
故人との関係だけでなくその家との関係にもよりますが、事前に故人の好みを聞いておくこともおすすめです。
季節の花
季節に合わせた花をお彼岸のお供えとすることもおすすめです。仏教にふさわしい種類を集めた定番のお供え用のお花も多く販売されていますが、季節感を楽しめる花束や故人が好きだったお花を贈っても喜ばれるでしょう。
ただし、花は香りが強かったり日持ちがしなかったりなどの理由で、敬遠されることもあります。長期保存ができるプリザーブドフラワーや造花などを贈る方法もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
現金
お彼岸のお供えとして、品物ではなく現金を渡すケースも定番です。香典として3,000~5,000円程度の金額を包み、お供えします。
なお、地域によってはお彼岸のお供えとして現金が一般的だったり、反対に現金で渡すケースは少なかったりします。事前に周囲に確認を取っておくと、トラブルを回避しやすいでしょう。
送り先別のお彼岸のお供えの選び方

お彼岸のお供えは、自宅に供えるのか、実家に送るのか、他家に送るのかによっても選び方が変わります。それぞれのシーンでどのような点に気を付ければいいのかをチェックしてみましょう。
自宅の仏壇に供える場合
自宅の仏壇にお彼岸のお供えを用意する場合は食べ物やお花、線香など、後日消費できるものや実用的なものを選ぶのが一般的です。
自宅ですぐ消費できるのであれば、もちやまんじゅうなどの日持ちのしにくいお菓子でも問題ありません。
いつもお供えを用意している場合でも、普段よりも少しランクの高い品物を用意してご先祖様、仏様への感謝の気持ちを示しましょう。
他家にお供えを送る場合
初彼岸を迎える家庭、長年交流がある家庭、義実家など他家をお彼岸のお供えを送る場合は、日持ちするものや小分けにしやすいものを用意するのが一般的です。郵送する場合はいつ開封してもらえるかがわからず、家族だけでなく近隣でお供えを分け合う可能性もあるでしょう。
日持ちのする焼き菓子、線香やローソクなどがおすすめですが、香典として現金を送る方法もあります。
実家へお供えを送る場合
離れた実家へお彼岸のお供えを送る際も、日持ちするもの、小分けにしやすいものを選びましょう。
実家であれば他家へ送るよりもカジュアルな気持ちで用意でき、家族の好みに合わせて選びやすいです。ただし、ご先祖への感謝の気持ちを伝えるという意味では、相場どおり3,000~5,000円程度で用意することがおすすめです。
実家へ帰るタイミングで、手土産として持参してもいいでしょう。
お彼岸のお供えを用意するときのマナー

お彼岸のお供えを用意するときに覚えておきたいマナーを紹介します。他家へお彼岸のお供えを送る際などに非常識と思われないためにも、表書きや水引などのマナーを事前に理解しておきましょう。
香典袋の表書きのマナー
現金を包む香典袋の表書きは、上部に「御仏前」などの文言を記載し、下部にフルネームを記載するのが一般的なマナーです。自分で書く場合は、濃い筆ペンで書きましょう。
香典袋は、白黒で結び切りの水引がついた袋を選ぶのが一般的です。また、中袋には金額と自分の連絡先を記載しておくと、受け取った方が内容を管理しやすくなります。
掛け紙の表書きのマナー
お彼岸のお供え物には、包装の一番上に掛け紙、のし袋をつけてもらうのが一般的です。表書きは白黒の結び切りの水引を選び、上部に「御仏前」などの文言を記載し、下部にはフルネームを記載しましょう。
百貨店やネットショップでお供え物を購入する際は掛け紙をサービスしてくれることも多いです。用途を伝えると適切な水引のデザインや文言を提案してくれるため、初めてお彼岸のお供えを用意する際にも失敗しにくいです。
掛け紙の水引の色
お彼岸の掛け紙の水引の色は、白黒を選ぶのが一般的です。関西などの一部地域では、黄色の水引が選ばれることもあります。
柄は双銀結び切りのものが一般的で、封筒は白無地を選ぶのが無難です。ただし、蓮の花が描かれたものもお彼岸のお供えの掛け紙として選ばれることもあります。
彼岸入りにお供えし、彼岸明けに下げるのが基本
お彼岸のお供えを送るタイミングは、彼岸入りを選ぶのがベストです。彼岸入りに届くようにお供え物を送ったり仏前に供えたりして、彼岸明けには下げるようにしましょう。
彼岸は春と秋にあり、毎年正確な日程は変わるものの3月と9月の下旬ごろが彼岸入りとなることが多いです。一方で、彼岸明けは3月と9月の終わりごろです。
多少前後しても非常識な印象を与えることはありませんが、ある程度タイミングは守るようにしましょう。
お彼岸期間中に送るのがベスト
お彼岸のお供えを郵送する、手土産として持っていくなら、お彼岸の期間中になるように調整しましょう。どうしても直接渡せない場合は郵送で、タイミングを合わせるのが難しい場合はお彼岸が始まる前に送るとよいでしょう。
他家や義実家などに送る場合は事前に訪問する日や到着日を連絡しておくと、相手にも迷惑をかけずにお供え物を喜んでもらいやすいでしょう。
現金を送る際は現金書留で
通常の郵便では、現金を送ることはできません。そのため、香典としてお彼岸のお供えに現金を送る場合は現金書留を利用しましょう。
現金書留の場合は到着時に相手のサインが求められることもあるため、事前に何を送ったか伝えておくこともおすすめです。
お彼岸のお供えのお返しのマナー

お彼岸でお供えをいただいたら、お返しのマナーについてもチェックしておきましょう。基本的にお彼岸のお返しは不要ですが、相手の家との関係性などもふまえて適切な対応ができるようにしておいてください。
基本的にお彼岸のお供えのお返しは不要
お彼岸でいただいたお供え物へのお返しは、基本的には不要です。四十九日やお盆など、法事でお供え物をいただいた場合はお返しを用意するのがマナーですが、仏教のイベントのなかでもお彼岸は身内だけで供養をおこなう小規模なものです。そのため、お供えをいただいたからといってお返しの心配をする必要はありません。
ですが、相手の家との今後の関係などを考慮するなら、ごく簡単なお返しを用意しておいてもいいでしょう。
必要な場合はいただいたものの半額程度のお返しを
お彼岸のお供えへのお返しは基本的に不要ですが、相手の家との関係性を考慮してお返しを用意したいなら、いただいたものの半額程度のものを用意しましょう。
後日お礼状を添えて郵送する、または事前にお返し用の品物を用意しておき、当日受け取ってすぐにお渡しする方法もあります。
カタログギフト
カタログギフトは指定された金額のなかから相手が好きなものを選べるため、近年人気を集めています。
お彼岸のお返しであれば1,500~2,500円程度のカジュアルな相場のものにはなりますが、選べる楽しさを味わってもらうためにもカタログギフトはおすすめです。
洗剤などの日用品
洗剤や油など、日用品をお返しとしてお渡ししてもいいでしょう。いくらあっても困らない定番の消耗品なら、相手を選ばず喜んでもらえます。
日用品でもお彼岸のシーズンではきちんとした箱に入ってセットになったもの、掛け紙がついたものが売られているため、事前にチェックしておきましょう。
お菓子やお茶などの食べ物
お彼岸のお供えと同様、お菓子やお茶といった食べ物をお返しとすることもおすすめです。日持ちがして小分けにできるものであれば、相手を選ばずに喜んで受け取ってもらえます。
お彼岸のお返しは基本的に不要なため、相手が気を使わない程度のカジュアルなものを用意しておきましょう。
まとめ
初めてのお彼岸では何を選べばいいか迷ってしまいますが、四十九日やお盆よりもマナーやルールはあいまいなため、こだわりすぎる必要はありません。
地域や家系によって独特の風習が残っていることもあるので、気になる方は事前に確認してからお彼岸のお供えを用意するとスムーズです。

古賀 清香
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
広告代理店勤務を経て、フリーライターとして6年以上活動。自身の投資経験をきっかけにFP資格を取得。投資・金融・不動産・ビジネス関連の記事を多数執筆。現在はフリーランスの働き方・生き方に関する情報も発信中。