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固定資産税の節税対策って?気になる「税金を減らす方法」を解説します

マイホームを手に入れたけれど、高い固定資産税に頭を抱えている人も多いのではないでしょうか?この記事では固定資産税の基礎知識やしくみ、計算方法などについて解説しています。

気になる固定資産税を安くする方法や、課税が適正に行われているかの確認方法についても紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

固定資産税とは

固定資産税とは固定資産にかかる税金

毎年1月1日時点で固定資産を所有する人に課せられる税金が『固定資産税』です。固定資産には土地や建物の他に、償却資産と呼ばれる事業用に使用する機械や備品などがあります。

代表的な固定資産は以下のとおりです。

土地や家屋などの不動産

不動産の定義は、民法86条1項で『土地およびその定着物』と定められているものを指します。

土地

田畑・宅地・山林・原野・牧場・池沼・その他の土地など。

建物

家屋などの建物(一戸建て・マンション)・店舗・工場・倉庫・その他の建物など。

事業用の機械や備品などの償却資産

償却資産とは、土地や建物以外で事業のために使用していて、減価償却が必要とされている資産です。代表的な償却資産を以下の表にまとめました。

種類

主な償却資産の例

構築物

塀・門・看板・庭園・舗装道路・緑化施設など

機械・装置

工作機械・土木機械・印刷機械など

工具・器具・備品

パソコン・コピー機・レジ・椅子や机・医療機器・美容機器など

車両運搬具

大型特殊自動車・フォークリフト・構内運搬車など

船舶・航空機

ボート・釣り船・飛行機・ヘリコプター・グライダーなど

償却資産にならないもの

無形固定資産・繰延資産・普通自動車や軽自動車など(自動車税、軽自動車税の対象となるため)は償却資産になりません。

償却資産税は償却資産にかかる税金

償却資産税は固定資産税の一種で、土地や建物に固定資産税がかかるように、償却資産にも償却資産税がかかります。

1月1日の時点で所有している償却資産の価格を基準に算出された税額を市区町村に納付します。課税標準額の合算が150万円以下であれば償却資産税はかかりません。

固定資産の税額は自治体が決める

固定資産税は、国や地方自治体が税額を決定し納税者に通知する『賦課課税方式』の地方税です。そのため所得税のように自ら納税額を計算し申告する必要はありません。

固定資産評価額について

固定資産税評価額とは、固定資産税を決める際に基礎となる価額です。土地の公的価格や家屋の時価などを反映して固定資産を適正な価格にする目的で、3年に1度見直し(評価替え)があります。

課税標準額について

課税標準額とは、固定資産税を算出する基準となる金額です。固定資産評価額をもとに各種軽減措置を考慮して算出します。特例や軽減措置等がなければ、そのまま固定資産税評価額が課税標準額となります。

市街化区域と市街化調整区域について

市街化区域

市街化区域とは、すでに市街地となっている場所や街の活性化をはかるために整備が進められる予定の場所です。ほとんどの市街化区域では固定資産税と都市計画税(※)がかかります。

市街化調整区域

市街化調整区域とは、基本的に建物の建築が制限される場所です。市街化調整区域に都市計画税(※)はかかりません。

※都市計画税とは、主に街の都市化や区画整理事業のための費用を目的とした税金です。

固定資産税の免税点

課税標準額が土地30万円以下、建物20万円以下、償却資産150万円以下であれば非課税となり固定資産税はかかりません。ただし、同一市区町村内にある固定資産は合算されるため、複数所有している場合は免税にならない場合があります。

固定資産税の納付期限

分割納付は年に4回ですが、納付期限については各自治体によって異なります。一例として、以下は東京都の2021年(令和3年)の納付期限です。

【第1期】2021年(令和3年)6月1日から6月30日まで(納期限 6月30日)

【第2期】2021年(令和3年)9月1日から9月30日まで(納期限 9月30日)

【第3期】2021年(令和3年)12月1日から12月27日まで(納期限 12月27日)

【第4期】2022年(令和4年)2月1日から2月28日まで(納期限 2月28日)

※2021年(令和3年)度固定資産税・都市計画税の納税通知書は、6月1日に発送されます。引用元:東京都主税局『固定資産税・都市計画税(土地・家屋)』

固定資産税の納付方法

固定資産税の納税通知書に同封の納付書を使用して、一括または年4回に分けて行います。どちらでも支払う額は同じで、国民年金のように一括払いによる割引等はありません。主な支払い方法は以下のとおりです。

現金

銀行や郵便局などの金融機関や、コンビニエンスストアでの現金払いができます。納税通知書に同封されている納付書が必要となるので忘れずに持参してください。

口座振替

口座振替も支払い方法として選択が可能です。銀行口座に入金しておくことで期日になったら自動で引落としされるため、分納時の納付忘れを防げます。

クレジットカード

一部の自治体ではクレジットカードによる支払いにも対応しています。ポイントもついてお得な支払い方法ですが、手数料には注意が必要です。

自治体によって異なりますが、おおむね1万円の納付金額に対して80円前後(税込)が目安でしょう。

キャッシュレス決済

キャッシュレス決済も対応している自治体が増えている納付方法です。納付書に記載されたバーコードをアプリで読み込んで操作すると、その場で支払いが完了します。

普段からキャッシュレス決済をよく利用している人にはおすすめの納付方法といえるでしょう。

固定資産税の計算方法        

固定資産税の基本の計算式は【課税標準額×1.4%】です。

固定資産税の計算の流れ

①固定資産税評価額を確認する

固定資産税評価額は、固定資産課税台帳または納税通知書の課税明細書の『価格』の欄で確認しましょう。課税明細書が手元にない場合は、目安として実勢価格(時価)の70%をおおよその固定資産税評価額とします。

土地と家屋の固定資産税評価額の合計が税額計算の基礎となります。

②課税標準額を計算する

固定資産税評価額をもとに、税金の軽減措置を適用して『課税標準額』を計算します。

③課税標準額×税率で固定資産税額を算出する

課税標準額に税率1.4%をかけて固定資産税額を算出します。税率は自治体によって変わる場合があるので、固定資産の所在地の市区町村役場で確認してください。

固定資産税の計算例

上記の順序をふまえて、以下のような土地と家屋の固定資産税の計算をシミュレーションします。

【土地】

●   固定資産税評価額:960万円

●   土地の面積:120㎡

【家屋】

●   固定資産税評価額:800万円

●   建ててから1年目の新築一戸建て

【税率】1.4%

土地

200㎡以下の住宅用地は『小規模住宅用地の特例』が適用され、固定資産税評価額が6分の1に減額されます。この金額が課税標準額です。

〈課税標準額〉960万円×1/6=160万円

課税標準額に税率をかけて土地の固定資産税額を算出します。

〈固定資産税額〉160万円×1.4%=2万2400円

家屋

家屋は原則的に固定資産評価額が課税標準額となります。

〈課税標準額〉800万円

課税標準額に税率をかけて家屋の固定資産税額を算出します。

〈固定資産税額〉800万円×1.4%=11万2000円

新しく建てた住宅には『新築住宅の特例』が適用され、家屋の固定資産税が3年間1/2に減額されます。この家屋は新築1年目なので適用範囲内です。

〈特例適用後の固定資産税額〉11万2000円×1/2=5万6000円

土地と家屋の固定資産税額を足し、この新築一戸建て住宅の固定資産税を算出します。

2万2400円+5万6000円=7万8400円

更地は建物がある土地に比べて固定資産税が高い?

上記のシミュレーション内にもあるように、『住宅がある土地はそうでない土地より課税標準額が少なくなる』という特例があります。

このことから土地の固定資産税は、更地にすると建物のある土地よりも高くなる傾向があります。建物がないという点では駐車場も同様です。

特例についてはこのあと説明します。

税金を安くする方法は?活用すべき6つの軽減措置       

固定資産税の節約

固定資産税を節約するには主に次の方法があります。

  1. 固定資産税評価額を下げる

  2. 固定資産税そのものを減額する

これらを実現するために、住宅に適用すると固定資産税の節約につながる代表的な軽減措置を紹介します。

小規模住宅用地の特例

人が住むための土地(住宅用地)であれば、本来の固定資産税評価額から一定の割合を減額できる制度です。減額した金額が課税標準額となります。200㎡までの小規模住宅用地と200㎡以上の一般住宅用地で適用される割合が変わります。軽減される条件と割合を以下の表にまとめました。

適用される要件

固定資産税の課税標準額

 

小規模住宅用地の特例

(200㎡までの部分)

 

固定資産評価額×1/6

 

一般住宅用地の特例

(200㎡を超える部分)

 

固定資産評価額×1/3

新築住宅の特例

新築住宅の固定資産税が一定割合で減額される制度です。新築一戸建てで3年間は固定資産税が2分の1になります(新築マンションは5年間)。

適用要件は、居住部分の床面積が50㎡以上、280㎡以下であることです。店舗と併用住宅の場合は居住スペースの割合が2分の1以上必要です。適用期限を過ぎると軽減措置がなくなり、安くなっていた固定資産税が本来の金額に戻ります。

固定資産税がいきなり高くなったと勘違いすることのないように、自分の適用期限を確認しておきましょう。なお、この特例自体の適用期間は2022年(令和4年)3月31日です。

参考:東京主税局『新築住宅減額(固定資産税)』

省エネ改修に関する固定資産税の特例措置

所有する住宅全体の省エネ性能を現状よりも上げるための改修をしたときに適用される制度です。1戸あたり120㎡相当分までを限度として、工事完了の翌年度分の固定資産税額が1/3に減額されます。窓を気密性の高いものにしたり、床・壁・天井の断熱工事をしたりした場合など、省エネのためにかかった費用が50万円以上から適用されます。この特例措置自体の適用期間は2022年(令和4年)3月31日です。

参考:国土交通省『省エネ改修に関する(固定資産税の)特例措置』

バリアフリー改修に関する固定資産税の特例措置

高齢者や乳幼児などが安全に生活できるためのバリアフリーの改修をしたときに適用される制度です。

1戸あたり100㎡相当分までを限度として、工事完了の翌年度分の固定資産税額が1/3に減額されます。段差解消スロープや手すりの設置、床材の変更、浴室やトイレの改修等にかかった費用が50万円以上から適用されます。この特例措置自体の適用期間は2022年(令和4年)3月31日です。

参考:国土交通省『バリアフリー改修に関する(固定資産税の)特例措置』

耐震改修に関する固定資産税の特例措置

1981年(昭和56年)5月31日以前の住宅について、耐震基準の適合を目的とした改修工事をしたときに受けられる軽減制度です。

1戸あたり120㎡相当分までを限度として、工事完了の翌年度分の固定資産税額が1/2に減額されます。耐震改修にかかった費用が50万円以上から適用されます。この特例措置自体の適用期間は2022年(令和4年)3月31日です。

参考:国土交通省『耐震改修に関する(固定資産税の)特例措置』

災害による固定資産税の減免制度

火災や台風・洪水等の風水害、地震などの災害にあったときは、固定資産税の減免制度を受けられる場合があります。自治体によって減免の割合や要件は異なります。安くするための方法ではありませんが、もし災害にあってしまったら居住地の市区町村窓口に問い合わせてみましょう。

参考:東京都主税局『 災害などにより被害を受けた方には都税を減免する制度があります』

今の固定資産税は適正なのか確認しよう       

2012年(平成24年)に総務省が発表した調査によると、調査期間中の全体平均で約500人に1人の割合で固定資産税が適正ではなかったという結果が出ています。固定資産税額に疑問を感じたとき、まず確認したい項目を以下にまとめました。

住宅用地の認定漏れ

固定資産税の課税誤りで多いのが、住宅用地の特例が適用されていない『住宅用地の認定漏れ』です。

たとえば、ひとつの建物の中に店舗と住居がある併用住宅では、住宅用地の特例は住居部分には適用されますが、店舗部分には適用されません。住居部分を申請せずにいるとその建物はすべて『店舗』になり、特例による軽減措置を受けられなくなります。

注意:住居部分の総床面積が建物の4分の1以上でない場合は住宅用地とは認められません。

非課税適用の申告漏れ

非課税の対象である固定資産の申告漏れも適正な課税ではなくなる原因のひとつです。

個人の所有地である私道についての見解は、非課税適用の申告漏れの代表的な例です。私道は固定資産税の課税対象になりますが、以下の場合は非課税になる可能性があります。

●   道路全体をとおして幅員が1.8m以上ある

●   道路の起点がそれぞれ別の公道に接している

●   利用上の制約を設けず、不特定多数の人が利用している

参考:東京主税局『道路に対する非課税のご案内』

自分で判断がつかない場合は、自治体に問い合わせて調査を依頼しましょう。

家屋を取り壊した後に必要な手続きをしていない

前述のように固定資産税は1月1日時点での所有者に課税されるため、必要な手続きを忘れていると取り壊した家屋の固定資産税がかかり続けます。家屋を取り壊したら、その年の年末までに法務局に建物滅失登記を申請しましょう。

近隣の住宅と比較して税額が適正かを調べる

土地価格等縦覧帳簿や家屋価格等縦覧帳簿で、自分の所有する土地や家屋が近隣と比べて適正かどうかを確認する方法があります。縦覧帳簿には所在地・地積や床面積などの大きさ・評価額が記載されており、近隣の似たような家屋と自分の所有する家屋との差がないかを判断できます。

固定資産税の納税者であることが条件で、縦覧期間は毎年4月1日から5月31日までです。希望する場合は住んでいる自治体の担当部署に問い合わせてください。

参考:東京都主税局 縦覧のお知らせ 固定資産税にかかる土地・家屋の価格などがご覧になれます(23区内)

まとめ

固定資産税は自治体が税額を算出する賦課課税方式の税金です。税額計算の基礎となる固定資産税評価額は自分で決めることができません。

そのため固定資産税のしくみと特例や軽減措置の情報を知ることが、固定資産税を安くするための第1歩となるでしょう。

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