節約を楽しみながらおこなうために
どんな節約のアイデアも数回だけ試して終わってしまうと、その効果を感じることは難しいでしょう。結果が出なければやる気も起きないですし、続けることもできません。ですが、ほんのちょっと意識を変えてみるだけで、節約はあなたの生活に馴染んでくれます。
たとえば、歯磨き。毎朝、「歯磨きしなくちゃ!」と自らを奮い立たせている人は多くないでしょう。節約も同じようなもの。一見ハードルが高いように見えても、生活に馴染めば当たり前に行えるようになるのです。
節約のポイントは、何かを我慢することではなく、習慣化すること。この記事では、節約を無理なく持続するためのポイントをお伝えします。
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節約を無理なく持続するための5ステップ
結論からお伝えすると、以下の5ステップを順に進めるのが望ましいです。とはいえ、「ここからなら始められそうなのに…」ということもあるでしょう。その場合は、ご自身が取り組めそうなものを選んで試してみてください。
ステップ1:節約脳を作るトレーニングから始める
ステップ2:アプリを利用して、ざっくり家計簿をつける
ステップ3:節約の目標を宝地図で見える化し目の付くところに飾る
ステップ4:自分の得意分野から節約術を試しトライ&エラーで守備範囲を広げる
ステップ5:節約をゲームとしてとらえ、家族皆を楽しく巻き込む
ここからは、これらのステップについて詳しくお伝えします。
ステップ1:節約脳を作るトレーニングから始める
トレーニング1:無駄に気づくクセをつける
「ムダに気づく」というのは、節約の原点・スタートです。例えば、以下の質問に心当たりはありませんか?
・歯磨きをしているとき、水を出しっぱなしにしていませんか?
・お風呂で髪や体を洗う際、シャワーを出しっぱなしにしていませんか?
・安いからと買ってみたものの、一度も使っていない物で溢れていませんか?
・節約しても、せいぜい数百円しか違わないと思っていませんか?
確かにひとつひとつの行動で抑えられる支出は数円程度、高くても数百円程度かもしれません。しかし、200円の節約ができるアイデアを年間300回おこなえたら、6万円の節約になります。
300個はハードルが高いように聞こえるかもしれませんが、
・毎日ひとつゲーム感覚で節約ポイントを見つけてみる
・効果的で毎日できる節約アイデアは繰り返し活用する
など、意外と回数はこなせてしまうのです。
トレーニング2:物を捨てるときは、ほかに使いみちがないか「あと1回」考える
洗濯していざ干そうと思った家族の靴下。ぽっかり穴が開いているのを発見したという経験はありませんか?
本来なら、そのままゴミ箱行きとなるところですが、ここでチェック!
ちょうど洗濯して濡れているその靴下を手にはめて、サッシを掃除してからゴミ箱にポイッ。窓のサッシはどうしても汚れやすい場所なので、ぞうきんだと真っ黒になって洗うのも大変。どうせ捨ててしまう靴下ですから、気兼ねなく使えます。ぞうきんを洗うための水も使わずに済みますね。
トレーニング3:固定費をチェックするクセをつける
スマホや携帯電話の「固定費(通信費)」を、ほったらかしにしていませんか?
基本使用料・通話料・通信料・パケット定額料・各種オプション利用料など、多くの項目があるので、通信費の無駄に気付いていない人が意外と多いのです。ですが、知らず知らずのうちに、家計を圧迫しているかも。
毎月のことなので、節約できる部分は節約してみましょう。たとえば、「格安スマホ」。「格安スマホ」は、インターネット企業などが多数参入していますが、「申し込み」や「修理の依頼」といった、ほとんどのサービスがインターネット。大手キャリア並みのサービスが受けられ、店舗とサービスも充実しているのもあります。見直すことで月額5,000円節約になった場合
5,000円×12か月=60,000円の節約・・・10年間で60万円の節約
毎月の通信費といった「固定費」の見直しは、節約生活において、大切なポイントですね。
ステップ2:アプリを利用して、ざっくり家計簿をつける
目標の設定は具体的に
漠然と「節約したい」ではなく、具体的に「月に1万円を節約する」と目標を立てる方が、実現できる可能性が高くなります。
我が家のお金が、「どこ(何)」に「どのくらい」出ていっているのかを「見える化」し、把握することで、具体的な目標を設定することができるようになります。ポイントは、自分がついつい無駄遣いをしてしまう状況・対象を正しく知ること。
毎日、コーヒー購入・100円ショップで頻繁に買い物・・・
じっくりレシートを見直していると、自分の行動パターンがわかり、何にどれだけ使っているのか考えるようになります。様々な改善点が見つかるので、家計を見直すモチベーションへとつながります。
いざ家計簿をつけ始めるとぶつかる「続かない」の壁
行動パターンを見直し、目標も具体化。さぁアプリで家計簿をつけ始めようと意気込んで始めたものの、「続かない」。この挫折してしまう大きな理由のひとつに、「真面目にキッチリやろうとしすぎてしまう」ということが挙げられます。
節約するための家計簿のはずが、家計簿をつけること自体が目的になってしまい、金額が合うまで何度も計算し直したり、やたら細かい項目まで振り分けて、毎日丁寧に記録したり……。
これではしんどくて続けられません。
家計の管理は「ざっくり」がポイント
家計簿をつける際に試してみていただきたいのが、スマホアプリです。スマホは手元にあるものですから、ちょっとした買い物の記録もすぐにつけることができます。スマホアプリの中には、レシートを写真に撮ると自動的にデータに変換してくれるものもあります。
ここで強調したいのが、「すぐできるからこそ、ざっくり管理」です。抜け漏れは気にせず、まずはスマホアプリを開く習慣をつけることから始めてみましょう。最近では便利な家計簿アプリがたくさん出ているので、自分に合ったアプリを見つけてください。
ステップ3:節約の目標を「宝の地図」として見える化し、目の付くところに貼る
「宝の地図」は成功への道しるべ
節約の目標は具体的に、とお伝えしてきました。さらに具体的にするために、ご自身の目標を「宝の地図」に見立てて、目の付くところに貼っておくと良いでしょう。
作成のポイントは、既に実際に成功したことをひとつ入れること。
まっさらな地図だと、できるかどうか不安になるかもしれません。しかし、既にできたことが書かれていると、潜在意識に働きかけて「これは実現できる可能性がある!」と認識してくれます。節約に向けた心理的ハードルを下げることにつながるのです。
成功したときの姿を想像しながら作るのもポイントです。私自身も、自分が叶えたい夢をイメージできる写真や絵を一枚のボードに貼って飾っていました。夢を叶えるために心が折れそうになっても、「宝の地図」を眺めることで「ここまではできたのだから、もう少し頑張ってみよう」と自分を奮い立たせました。
家族で目標を達成するためにも「宝の地図」は効果的
この「宝の地図」は、自分だけでなく家族にも影響を与えてくれます。
たとえば、水道代や電気代の節約。自分ひとりが頑張っていても、家族が水を出し放題、電気を使いたい放題にしていたら、あっという間にあなたの節約分が打ち消されてしまいます。
身に覚えがあるかもしれませんが、人から何かを強制されるのは良い気分にならないものです。節約も同じで、たとえ家族であっても、強制されると「そこまでする必要があるのか?」「面倒だ」とネガティブな印象を抱く可能性があります。
そこで役に立つのが「宝の地図」。
「なぜ節約をするのか?」「何のために節約をするのか?」が見える化されているので、目的を共有することができます。また、あなたが叶えたい夢に向かって頑張っていることが伝わると、それを「サポートしたい」と感じてくれるかもしれません。
ステップ4:自分の得意分野から節約術を試し、トライアル&エラーで守備範囲を広げる
「節約」というテーマはあまりに広く、その入口もさまざまです。得意分野から始めるのがベストです。
・計算や分析が得意=家計簿からムダな部分を洗い出しコストカット
・料理が得意=節約レシピで食費の削減
・手先が器用=生活用品をDIYや手作りグッズ
・ナチュラル志向=掃除用洗剤や化粧水を手作りして安上がりに
・リサーチが得意=買いたい商品の最安値を徹底リサーチ
少し挙げただけでも、これだけの方法があります。料理が苦手なのに節約レシピから入ったら、続かないのが当たり前です。
ゆっくりとお風呂に入ることがストレス解消になっているのであれば、シャンプーやボディソープを嫌々ながら節約する必要はないのです。別の得意分野で節約して浮いたぶん、豪華なアロマソープを買っちゃいましょう!
節約術は、トライアル&エラーの繰り返しから、生まれるものなので、まずはやってみる。その結果、自分のスタイルに合わないと感じたら、無理はせずにやめる、という姿勢でいます。
どうせやるなら、自分がやってみたい、得意だと感じる分野から始めましょう。それが、節約を長く楽しむコツです。
ステップ5:節約をゲームとしてとらえ、家族皆を楽しく巻き込む
節約は、我慢するのではなく、ゲーム感覚で楽しまないと長続きしません。節約を長く楽しく続けるため最後にひとつ、絶対に欠かせないものがあります。
それは、「家族の協力」です。
ステップ3でご紹介した「宝の地図」。私はマイホーム購入の夢を「宝の地図」としてトイレに貼っていました。そうすると、子どもたちは「お母さん、マイホームのために頑張っているんだな・・・、こんな家に住みたいんだな」と理解し応援してくれていました。
また、ボックステッシュを半分にするときも、子供たちにゲーム感覚で「誰が一番にできるかな?」と楽しんでやっていました。
家族皆を巻き込みましょう。家族のみんなが、「なぜ節約をするのか」という目的を共有するようにしましょう。自己満足ではなく、 " 家族みんなが幸せになる節約 " を目指しましょう!
まとめ
5つの節約ステップを解説してきました。試しやすそうなステップから着手し、合わなければやめても大丈夫。自分にとって大切なことを曲げてまでやらなくても大丈夫。節約のポイントは、何かを我慢することではなく、習慣化することです。無理なく続けられる「仕組みづくり」のサポートとなれば幸いです。
- 節約
小松 美和
節約研究家
子ども4人のシングルマザー。6年で1000 万円貯め、キャッシュで一戸建てを購入。楽しみながら節約する!がモットー!日常生活でのあらゆる節約生活を実践し、現在の節約・知恵の数は300以上。バイキング、ソレダメ!などテレビ出演、ラジオ出演、セミナー講師、書籍監修、執筆活動など多岐にわたり活動中。ABCラジオ「朝も早よから芦沢誠です」レギュラー出演中。著書:月給13万円でも1000万円貯まる節約生活