西日本シティTT証券のチーフアナリストが2021年の日本経済を考える

2020年の振り返りと2021年の日本経済の行方

2020年の振り返りと2021年の日本経済の行方

 2020年はほとんどの人にとって、これまでと違う特別な一年で終わったのではないでしょうか。年末恒例の流行語大賞や、ヒット商品番付はそれを如実に示しました。経済の分野では4-6月期のGDPはリーマンショック時を上回る落ち込みで、飲食店やサービス業、医療関係の方には特に苦しまれた一年になったことと思います。一方で、経済を映す鏡であるはずの株価は、コロナ禍で3月に大幅な下落を記録したものの、年末にかけてはするすると順調に上昇し、日経平均は29年ぶりという歴史的な水準まで上昇しました。

 今年の日本経済を予想する時に考えるべき大事な前提は、①コロナワクチンの接種開始時期と接種率、②東京五輪開催の有無、③景気回復の速度と企業利益の水準になります。①②③はそれぞれが密接に絡む事象です。そこで、今年の世界の潮流を私なりに考えてみると、世界経済はこのままコロナ禍をいなして、改善を続ける方向ではないかと考えます。医療崩壊の起きない状態を維持でき、狭い地域でのロックダウンを積み重ねることで、経済への影響は限定的にすることができます。当ブログをお読みの皆さまには、必要以上に運命論的になり、長期投資のタイミングを見失わないようにしてほしいと思います。

 世界経済が私の見通しどおりであれば、日本経済を予想する前提として、①ワクチン接種は年前半から徐々に進み、②東京五輪は(規模の縮小の可能性は相当高そうですが)実施の方向で、③国内景気もなんとか2020年のマイナス分程度は取り返すことができ、企業利益は前年比4割程度の増益になりそうです。株価は「少し先の」経済を映す鏡です。それを勘案すれば、歴史的な水準を回復して前向きになった昨年の株式市場は、次第に明るくなる今年の日本経済を映し出していると考えた方が良いはずです。見えないものと戦った2020年は、見えない力に支えられた特別な一年だったのかもしれません。

FM福岡で毎日放送中!「トゥデイズ マーケット インフォメーション」

FM福岡で毎日放送中!「トゥデイズ マーケット インフォメーション」

最後に私が毎日マーケットについてコメントをしている、FM福岡の放送内容を紹介いたします。

 11月の日経平均は史上3番目の上げ幅を記録し、29年ぶりの高値を付けるなど、歴史的な上げ相場となりました。コロナという見えないものと戦ったこの特別な年に、実体経済がリーマンショックを上回る不振を記録しながら、この株高の理由は、株価の将来を見抜く力・先見性といえるかもしれません。コロナの影響は残っても、来年の経済が上向きになることを、株価は予見しているのだと思います。NTTによるドコモ買収に代表されるように、企業の構造改革は大きく進んでいます、日本の将来は明るいと株価は語っているのかもしれません。(12月1日放送分)

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