マンションの修繕費とは?戸建てのメンテナンス費は?

マイホーム購入後は、修繕やメンテナンスのことも考えておかなければなりません。マンションと戸建てのそれぞれでかかる、修繕費・メンテナンス費について説明します。

マンションの共有部分の修繕費は積立金から出される

マンションの共用部分の維持・管理のためには、定期的に大規模修繕を行う必要があります。この大規模修繕の費用は、マンションの各戸の所有者(区分所有者)が負担しなければなりません。マンションの大規模修繕費用は高額になるので、管理組合が毎月区分所有者から徴収し、修繕積立金として積み立てています。なお、修繕積立金の金額は、国土交通省のガイドラインに従って、マンションの規模などにもとづき算出されます。

修繕積立金の相場

国土交通省の2023年度(令和5年度)マンション総合調査によると、分譲マンション1戸あたりの1か月の修繕積立金の平均額は、13,378円(駐車場使用料等からの充当額を含む)となっています。

出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査の 結果について」

専有部分の修繕費

共用部分の修繕費は積立金から出されますが、専有部分の修繕費は居住者が負担しなければなりません。例えば、水回り設備の修繕・交換、給湯器の交換、床やクロスの張替え、畳の表替えなどの費用が、積立金とは別にかかります。

戸建てで必要なメンテナンス

戸建て住宅の場合には、次のようなメンテナンス・修繕が必要になります。

外壁塗装・屋根塗装

風雨にさらされる外壁や屋根は、10~20年程度で塗り替えや葺き替えを行うケースがあります。

水回り設備の修繕・交換

浴室、トイレ、洗面所、キッチンなどの水回りは、傷みや腐食が生じやすく、修繕が必要になりやすい箇所です。10年程度経過したら、設備の交換も考えた方が良いでしょう。

給湯器の交換

給湯器には寿命があり、10年程度で交換が必要になります。

その他

床やクロスの張替え、畳の表替え、床下のシロアリ対策などが必要になることがあります。

戸建てのメンテナンス費の相場

アットホーム株式会社が2023年に全国の新築一戸建て購入後30年以上住んでいる50歳以上の人を対象に行った調査によると、修繕費の平均は615.1万円です。

出典:アットホーム株式会社「2023年『一戸建て修繕』の実態調査」

戸建てとマンションではどちらが修繕費がかかる?

マンションの修繕積立金の平均月額は13,378円なので、入居後30年でメンテナンスをすると仮定した場合、約482万円になります。また、マンションでは専有部分の修繕費が別途かかります。水回り設備の修繕や交換をする場合は数十万円〜、壁紙やクロスの張り替えを売る場合は数百万円〜になることも考えられます。専有部分の修繕内容によっては、戸建てよりマンションの方が修繕費はかかるといえるでしょう。

メンテナンス費用は計画的に準備

戸建てでは、マンションのように毎月修繕費を積み立てる仕組みはありません。外壁や屋根などは定期的にメンテナンスをしますが、それ以外にも急に修理や修繕が必要になることがあります。戸建て住宅を購入したら必要なメンテナンス費用を予測し、計画的に資金の準備をしておくことが大切です。マンションでも専有部分の修繕費がかかるため、修繕積立金とは別に、修繕のための資金を用意しておきましょう。