福岡の名物「明太子」は、全国的に有名な食材ですが、そのルーツや知られざるエピソードを知っていますか?1月10日は「明太子の日」として、福岡の食文化を再認識する日でした。この記事では、明太子の歴史や若い世代でも知らない“あるある”ネタ、さらに自宅で楽しむ簡単レシピなどを紹介します。福岡ならではの明太子の魅力を存分に感じながら、ぜひ新たな発見をしてみてください!
1月10日は「明太子の日」
1月10日は「明太子の日」として制定されているのをご存じでしょうか?この日は、福岡を代表する名物「明太子」を再認識する日です。
1949年1月10日、「ふくや」の創業者である川原俊夫氏が、韓国で食べた「韓国風味付けのたらこ」を日本風にアレンジして、福岡で初めて明太子を販売したことが由来です。商売繁盛の神様である十日恵比須神社の正月大祭にちなんで販売が開始されました。
川原氏は、試行錯誤の末に生みだした明太子を、特許を取ることなくその製法を知りたい人に惜しみなく教えました。そうしてさまざまな作り手によって幅広い味が生まれ、明太子は博多を代表する名産となりました。
それ以降、明太子は福岡の食卓に欠かせない存在となり、全国的に広まりました。戦後の福岡の復興と共に成長し、地元の人々の食文化に深く根付いています。
明太子あるある!若い世代が知らないかも?
明太子は福岡県民にとって馴染み深い食材ですが、特に若い世代がまだ知らない「明太子あるある」をいくつかご紹介します。
明太子とたらこの違いがわからない
明太子とたらこは同じスケトウダラの卵ですが、たらこは塩漬けにしたもの、明太子は唐辛子や調味料で味付けされたものです。しかし、若い世代の中には「結局、何が違うの?」と思う人も多いようです。特に、辛味の少ない明太子はたらこと混同されがちです。
ご飯だけじゃない!明太子の意外な食べ方
明太子はご飯のお供として知られていますが、実は福岡では出汁巻きたまごに入った「出汁巻き明太」が居酒屋の定番メニューだったり、焼きおにぎりや焼きそば、さらにはおでんの具としても使われたりするなど、様々な形で親しまれています。その他にも、パンに塗る、オムレツのトッピングにするなど、洋食にも応用されることが多く、地元のカフェでも人気の食材です。
「切れ子」は知る人ぞ知る人気アイテム
明太子の端の部分を集めた「切れ子」は、見た目が崩れていることから安価で販売されますが、旨味が凝縮されているためファンが多いです。切れ子はパスタや和え物などの料理に使いやすく、コストパフォーマンスが高い一品。地元のスーパーでも手軽に手に入るため、日常的に利用する家庭が多いのが特徴です。
明太子のトリビア
明太子に関する知っておきたいトリビアを紹介します。福岡県民でさえ知らないかもしれない明太子の新たな一面を発見しましょう!
実は冷凍保存ができる
明太子は、冷蔵保存が基本とされていますが、実は冷凍保存も可能です。冷凍する際は、小分けにしてラップで包み、食品保存用袋に入れることで、風味を保ちながら長期間保存することができます。解凍時は冷蔵庫でゆっくりと解凍するのがコツで、品質を損なわずに楽しむことができます。
栄養価が高い
明太子は、タンパク質が豊富であり、低カロリーな食品です。ビタミンB群やDHA・EPAも含まれており、体にも嬉しい食材です。特に、筋トレやダイエットをしている人にとっては、手軽なタンパク源として重宝されます。
家庭で楽しむ明太子レシピ
家庭でも手軽に明太子を楽しむための簡単レシピをご紹介します。ぜひ家族や友人と一緒に明太子料理を作ってみてください。
簡単明太子パスタ
- スパゲッティを茹でます。
- ボウルに明太子(薄皮を取ったもの)、バター、マヨネーズ、少量の醤油を加えて混ぜます。
- 茹で上がったスパゲッティをボウルに入れ、全体をよく和えます。
- 刻み海苔と小葱をトッピングして完成!
シンプルながら、明太子の旨味が引き立つ人気の一品です。
明太フランス
- バゲットを切ります。
- 明太子とバターを混ぜたペーストをバゲットに塗り、トースターで焼きます。
- カリッと焼き上がったバゲットに、明太子の風味が広がります。
明太フランスはお手軽で、朝食やおつまみにもぴったりです。
じゃがいも明太
- じゃがいもを一口大に切り、耐熱ボウルに入れてラップをし、電子レンジで柔らかくなるまで加熱します。
- フライパンにバターを熱し、じゃがいもを加えて軽く炒めます。
- 明太子(薄皮を取ったもの)とマヨネーズを加えて、じゃがいもに絡めながら混ぜます。
- 全体に味が馴染んだら完成!お好みで刻みネギなどをトッピングすると風味が増します。
ホクホクのじゃがいもに、明太子とマヨネーズのコクが絶妙にマッチした一品です。電子レンジを使うので手軽に作れ、メイン料理の付け合わせやおつまみとしてもおすすめです。
まとめ
1月10日の「明太子の日」は、福岡の名物・明太子を見直し、その美味しさと魅力を再発見する機会です。戦後の福岡で誕生し、全国に広まった明太子の歴史や、切れ子文化など地元ならではのエピソード、さらに家庭で楽しめる簡単レシピを紹介しました。明太子にまつわるトリビアも含め、明太子の新たな一面に触れて、家族や友人と心温まるひとときを楽しんでみてください。
後藤暢子
株式会社フリーランス 常務取締役、合同会社チノアソビ 業務執行社員
明治学園高等学校(福岡県北九州市)、熊本大学、九州大学大学院を経て㈱リクルートへ。その後地元の出版社などを経て、中小企業向けの広報・PR担当、クリエイティブまわりのディレクター、ライター業を主としたフリーランスとして独立。2017年に㈱フリーランスを創業。2023年、合同会社チノアソビを創業。2022年10月『離島を楽しむ 五島列島』(辰巳出版)上梓。