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公務員のボーナスはどれくらい?国家と地方での違いや平均給与について紹介

公務員を目指している人の中には、公務員がどれくらいボーナスをもらっているのか気になっている人もいるでしょう。国家公務員と地方公務員とでは、給与やボーナスに差があるのかも気になるところです。今回は公的な統計データをもとに、公務員の平均給与・ボーナスを紹介します。民間企業との差についても詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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公務員の基本的な給与体系を解説

公務員の給与制度は、民間企業とは少し異なります。公務員の基本的な給与体系を紹介しますので、ボーナスや平均給与を比較する前の基礎知識として押さえておきましょう。

給料

公務員には国家公務員と地方公務員があり、給料は法律に基づいて定められています。国家公務員の給料(俸給)は俸給表を、地方公務員の給料は給料表により細かく決められています。

俸給表(国家公務員)

国家公務員の俸給は、民間企業の基本給に該当します。月ごとの俸給に住居手当や通勤手当などの生活補助的手当、地域手当、職務の特殊性に応じた手当などを加えたものが月給です。

基本となる俸給表は職種に応じて11種17表あり、年収は職種や勤続年数、役職によって変わります。俸給表には課長、係長、係員といった職務段階に応じて級が定められており、職務段階と級を組み合わせたものが俸給月額です。

参考元:国家公務員の給与(令和4年版)P.11

給料表(地方公務員)

地方公務員の給料は給料表で定められ、国家公務員の俸給表と同様に職種に応じて異なる給料表が適用されます。給料の支給額は、給料表の職員の区分として表される職務の「級」と「号給」の組み合わせで決定する仕組みとなっています。

職務の「級」とは職務の複雑さや困難、責任の度合いに応じて区分されるものです。また、号給は職務経験年数による職務の習熟度を給与に反映されるもので、号給の上昇は昇給を意味します。地方公務員の給与は、この給与表の給料に諸手当を加えたものです。

参考元:総務省「地方公務員の給与の体系と給与決定の仕組み」

職務関連手当

職務関連手当は、以下のような職務に関連する手当のことです。

  • 地域手当
  • 時間外勤務手当
  • 夜間勤務手当
  • 宿日直手当 など

なお、上記以外に、義務教育等教員特別手当、産業教育手当のように地方公務員にあって国家公務員にない手当もあります。

職務関連手当の中に民間企業ではあまり見ない期末手当、勤勉手当という手当がありますが、これがボーナス(賞与)に該当します。月給の数ヶ月分が期末手当、勤務成績区分に応じて支給されるのが勤勉手当です。

生活関連手当

生活を補助する目的で支給されるのが、生活関連手当です。支給額は一律ではなく、扶養家族の有無や居住地などによって決まる手当で、仕事の内容は影響しません。

生活関連手当には、以下のようなものが該当します。

  • 扶養手当
  • 住居手当
  • 単身赴任手当 など

民間会社には生活関連手当の一つとして家族手当を支給するケースもありますが、公務員にはその名目の手当はありません。

人材確保手当

人材確保手当は、以下のような人材を確保するために支給される手当です。

  • 地域手当
  • 初任給調整手当
  • 特地勤務手当
  • へき地手当(地方公務員のみ)

人材確保としての地域手当は職務関連手当にあるものと違い、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年四月三日法律第九十五号)第11条4~7に規定されるもので、医療職の俸給表が適用される職員には、異動保証があります。異動保証は、6ヶ月以上地域手当が支給される地域に勤務したあと、地域手当が低い地域やない地域に異動する職員に対して3年間支給されるものです。

参考元:e-GOV「一般職の職員の給与に関する法律」

その他

職務関連手当、生活関連手当、人材確保手当のどこにも該当しない公務員の手当は、以下のとおりです。

  • 通勤手当
  • 特定任期付職員業績手当
  • 任期付研究員業績手当
  • 退職手当

これらは、国家公務員と地方公務員のどちらにもあります。

国家公務員の平均給与・ボーナス

年功序列制度をとっている国家公務員は、勤続年数に応じて安定的に収入が増えていきます。ここでは、具体的に受け取る給与はどのくらいなのか平均の給与額やその内訳、夏・冬のボーナス額について紹介します。

平均給与月額と内訳

人事院の2023年(令和5年)調査によると、国家公務員の平均給与月額は412,747円でした。内訳は以下のとおりです。

職種ごとに俸給表は違いますが、これは全俸給を対象とした金額です。また平均年齢42.3歳、平均経験年数20.4年として集計された数字となるため、実際は年齢や役職によって給与月額は変わります。

参考元:人事院「令和5年国家公務員給与等実態調査の結果」

夏・冬のボーナス平均額

内閣官房内閣人事局・報道資料によると、一般職国家公務員(管理職を除く行政職職員)の2023年(令和5年)夏のボーナス(期末・勤勉手当)平均支給額は約637,300円となっています。

参考元:内閣府報道資料「令和5年6月期の期末・勤勉手当」

また、同年の冬のボーナス(期末・勤勉手当)平均支給額は約674,300円で、夏のボーナスよりも冬のボーナスのほうが少し高く、夏・冬のボーナスの平均支給額を合わせると、1,311,600円です。

参考元:内閣府報道資料「令和5年12月期の期末・勤勉手当」

地方公務員の平均給与・ボーナス

役所などで業務を行う地方公務員とは普段から接する機会も多く、給与・ボーナスが気になる人もいるでしょう。ここでは、一般行政職の給与・ボーナスについてまとめましたので、参考にしてみてください。

平均給与月額と内訳

総務省がまとめた2022年(令和4年)地方公務員給与実態調査結果によると、大臣や裁判官などの専門職を除く一般行政職の平均給与月額は401,372円でした。

内訳は次のとおりです。その他の中には、通勤手当、管理職手当、時間外勤務手当などが含まれます。

参考元:総務省「令和4年 地方公務員給与の実態」第5表P.253

次に、地方自治体の勤務先別に給与月額合計をみてみましょう。都道府県は411,612円、政令指定都市431,588円、市区町村組合は396,793円と、政令指定都市がやや高めとなっています。

参考元:総務省「令和4年 地方公務員給与の実態」第5表P.253、P.255

国家公務員の平均給与月額は412,747円ですので、比較すると地方公務員のほうが統計上は低い傾向にあります。

夏・冬のボーナス平均額

地方公務員の年間の平均ボーナス額は「期末手当+勤勉手当」です。一般行政職の期末手当が873,560円、勤勉手当が686,408円のため、合計すると1,559,968円になります。ただし、これは夏・冬合わせた年間ボーナス額です。

夏・冬に分けて、それぞれ何ヶ月分支給されるかについては、各自治体によって異なります。なお、福岡県の地方公務員ボーナスについては以下にまとめましたので、参考にしてみてください。

参考元:総務省「令和4年 地方公務員給与の実態」第5表P.254

福岡県の地方公務員のボーナス

福岡県の公式ホームページによれば、2023年(令和5年)6月期の行政職職員の期末・勤勉手当(夏のボーナス)の平均支給額は約772,000円でした。支給月数は前年同期と変わらず、一般職2.2月、特別職1.65月となっています。

参考元:福岡県公式ページ「令和5年6月期の期末・勤勉手当の支給について」

また、2023年(令和5年)12月期の行政職職員の期末・勤勉手当(冬のボーナス)の平均支給額は約787,000円でした。支給月数は一般職2.2月、特別職1.65月です。したがって、2023年(令和5年)の夏・冬ボーナスの平均支給額合計は1,559,000円になります。

参考元:福岡県公式ページ「令和5年12月期の期末・勤勉手当の支給について」

公務員と民間企業の平均給与の差はどれくらい?

民間企業に勤務する人にとって、公務員の給与とどのくらい差があるのかは気になるところです。そこで、民間企業の平均給与とボーナス平均額を調査しました。民間企業の業種による差にも注目してみてください。

民間企業の平均給与

総務省の調査によると、2022年(令和4年)において、給与所得者1人当たりの年間平均給与は4,576,000円(平均年齢47歳)でした。男女別では男性が5,633,000円(平均年齢47.1歳)、女性が3,137,000円(平均年齢46.9歳)となっています。

1年間の1人当たり平均給与

参考元:国税庁「民間給与実態統計調査(令和4年分)」P.14

正社員と正社員以外で金額に大きな差がありますが、1人当たりの年間平均給与の数字には賞与も含まれることを考慮にいれる必要があるでしょう。

民間企業の平均賞与

では、平均賞与(ボーナス)です。給与所得者全体の平均賞与は716,000円で、男女別では男性が917,000円、女性が441,000円となっています。

参考元:国税庁「民間給与実態統計調査(令和4年分)」P.16

内訳表をみてもわかるように、年間の平均給与に対する賞与割合は20%弱程度です。また、給与、賞与の男女差が目立ちます。このように、表面的な全体平均だけでなく中身を確認することも重要です。

業種別平均給与

民間企業で注意したいのは、業種や仕事によって給与体系が全く違うことです。以下に、年間の1人当たりの平均給与を業種別にまとめました。電気・ガス・水道業は宿泊業・飲食サービス業の金額の2倍以上あることがわかります。

参考元:国税庁「民間給与実態統計調査(令和4年分)」P.19

民間企業と公務員の差

国家公務員と地方公務員の平均月額給与とボーナス(期末・勤勉手当)から、単純計算で年間給与額を求めると以下のようになります。

  • 国家公務員:412,747円(平均給与月額)×12+1,311,600円(ボーナス)=6,264,564円
  • 地方公務員:401,372円(平均給与月額)×12+1,559,968円(ボーナス)=6,376,432円

民間企業の年間平均給与4,576,000円ですので、平均年収で見れば公務員のほうが民間企業より高いといえます。

※民間企業・地方公務員は令和4年の統計、国家公務員は令和5年の調査に基づきます。

まとめ

民間企業より公務員の年収が高いというのは、統計的にみると正しいといえるでしょう。しかし、公務員は年功序列制で年齢による差があり、民間企業でも業種・仕事によっては公務員よりも高くなるケースもあります。

転職で公務員を目指している場合は、自身の年収やボーナスと比較してみてください。新卒で公務員を目指している人は、すべての公務員が民間企業の給与を上回るわけではないことを理解しておきましょう。

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