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株価調整局面で年末の株価を予測する | 西日本シティTT証券チーフアナリスト 松本義一郎

株価調整局面で年末の株価を予測する

新年度に入り欧米株式が上昇するなか、日本株はさえない動きが続き、足元では欧米でワクチン接種が進み、景気過熱からインフレの心配まで起きて、欧米株式が調整局面に入ると、日本株は欧米株以上に下落幅が大きくなっています。

 もともと5月は「セル・イン・メイ(株は5月に売りなさい)。」という諺(ことわざ)が欧米では有名で、日本でも決算発表で保守的(慎重)な業績見通しを、期初に示す企業が多いことから、初夏から初秋までは投資に向かない時期と言われています。

 今年も例年通りの5月の売りが出て、日経平均は急落し、27,448円と昨年末の水準27,444円と同水準まで下落(13日)し、3度チャレンジした30,000円定着はかなり遠くなってしまい、「株はバブルだ」と主張していた人達からは「やっぱり」という言葉が出ているようです。

 しかし、一旦株が調整局面に入り、仕切り直しになった現時点で、マーケットの今後を予測することは、せっかく投資を始める人が増加している、今の時期・今の日本では意義があることではないかと思います。

 まず、新年度以降の日本株の不振の要因は、ひとえに国際的にみたワクチン接種の遅れにあります。米国がマスクなしの生活を容認した今、コロナ新規感染者増に苦しむ日本の周回遅れは奇異にすら映り、これでは外国人の投資意欲が日本に対して向くわけはありません。

 しかし、周回遅れとはいえ、日本でもワクチン接種の進捗が見え始めれば、徐々に景気も明るさを増すはずです。まして、今年の世界経済は、米中がけん引して6%台の高成長といわれており、世界の景気敏感株といわれている日本株も、遠くない時期に脚光を浴びるはずです。

世界的な低金利環境の中で景気回復が鮮明になれば、株式等の資産価格に上昇圧力がかかるのは当然です。1970年以降で日本の景気が底を付けたことが9回ありますが、翌年の日経平均の変化率の平均は22.5%のプラスです。今回にあてはめれば、今年年末の日経平均は33,618円になります。

今年度の企業業績は40%前後の増益が予測されており、22.5%という上昇率はむしろ控えめといえるかもしれません。今回のような株価の下落した局面では、少し強気のスタンス(投資姿勢)をとってみることも、今年の場合は有効といえそうです。

FM福岡で毎日放送中!「トゥデイズマーケットインフォメーション」

最後に私が毎日マーケットについてコメントをしている、FM福岡の放送内容を紹介いたします。

 GW(ゴールデンウィーク)を挟んだ日本株市場は重苦しい値動きが続き、史上最高値更新を続ける米国やドイツ株との格差が広がっていました。これは台湾問題や中国の人権問題が意識されたことや、GWを控えていたこともありますが、何といってもワクチン接種が極めて遅いことが投資家に嫌気されたためです。しかし、欧米市場では国内のワクチン接種比率が10%を超えると、株価が上昇に転じています。福岡での感染拡大は心配ですが、日本の株式市場が上昇を再開する時期は遠くないと思います。(5月10日放送分)

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