日本株はバブルなのか | 西日本シティTT証券チーフアナリスト 松本義一郎

日本株はバブルなのか

日本株はバブルなのか

 実はこの表題は昨年9月以来2度目になります。それくらいこの質問を受ける回数が多いことを察していただければと思います(日本人は実はバブルが好きなのか?)。前回9月時点の日経平均は23,000円台でしたが、今回は昭和から平成にかけての本当のバブル期以来、30年ぶりの30,000円台を付けるまで上昇しています。ちなみに9月の回答は、『「株は少し先の経済を映す鏡」なので、来年の景気回復を予測して株価は上昇しており、バブルではありません。』としていました。

 実際に今年の経済がどうなるかを、一番信頼できる(と世界でいわれている)国際通貨基金(IMF)が、1月26日に発表した世界経済予測でみてみましょう。昨年の世界経済はコロナ禍で▲3.5%と非常に厳しい状況でしたが、今年は5.5%成長と昨年のマイナス分を埋めて、好不況の分岐点といわれる3.0%を大きく上回る予測です。中国が8.1%、米国が5.1%の高成長で世界をけん引しています。日本は昨年の▲5.1%に対し、今年は3.1%成長と、10年ぶりの高成長になります。IMFは今年の高成長の要因として、「政策支援とワクチンが経済活動を活性化させる」としています。

 今年の世界と日本の経済については、水準はともかく、方向性は確実にプラスの方向と考えてよさそうです。そうであれば、問題は実体経済ではなく、「現在の株価(日経平均)の水準が企業業績と比べて高すぎるのかどうか」、ということになります。

 2月に入り、10~12月期の企業決算発表が出そろいました。私の30年を超えるマーケット経験でも、これほど上方修正の多い四半期決算は記憶にありません。開示される業績水準には驚かされるばかりです。4年前には700億円しかなかったソニーの純利益が1兆円を超え、ソフトバンクグループは3兆円の利益を計上しています。企業業績は日経平均が3万円台に乗っても、割高とはいえないほどの好業績といえます。

 既に1980年代のバブル期から30年以上経過しました。当時のNYダウは2,600㌦程度でしたが、現在のNYダウは31,000㌦を超えています。しかし、2002年以降の日経平均とNYダウの動きを重ね合わせてみると、ほぼ同じような動きをしていることが解ります。

私はNYダウと日経平均が同じような動きになっている意味を、日本企業がリーマン・コロナのショックを乗り越えて、米国企業と同様の「稼ぐ力」を付けたためとみています。したがって、日本株の上昇はバブルではなく、日本企業の稼ぐ力の向上を素直に反映したものと考えています。

急速な株価上昇には警戒も必要になります。とはいえ長い目で見ると、産業構造やマネーの動きに着実な変化があることも確かです。バブルだと決めつけるのではなく、そうした日本の変化も冷静に見極めたい局面といえます。

FM福岡で毎日放送中!「トゥデイズマーケットインフォメーション」

FM福岡で毎日放送中!「トゥデイズマーケットインフォメーション」

最後に私が毎日マーケットについてコメントをしている、FM福岡の放送内容を紹介いたします。

 日米の決算発表がピークを迎え、日立やソニーのように、コロナ禍でも好業績や、赤字幅縮小が多く、それがストレートに株価に反映されています。特に日本では製造業の好業績が際立っています。製造業の業績回復は中国をはじめ世界経済が緩やかに回復し、貿易環境が改善していることが背景です。昨年11月から急上昇した株式市場ですが、業績との関係からは過熱感はありません。好業績を冷静に織り込む日経平均は、3万円に向けて静かに上昇していきそうです。(2月4日放送分)