西日本シティTT証券チーフアナリストによる「アフターコロナの世界展望」

アフターコロナの世界を展望すると

アフターコロナの世界を展望すると

 今年の正月はどこへも出かけず静かに過ごし、「箱根駅伝」を全て見尽くしました。「コロナが終われば…」という言葉を何度メールしたり、頂いたりしたことでしょう。しかし、これだけは信じてほしいのですが、コロナ禍はいつか必ず終わります。これまでも終わらなかったパンデミックはありません。

 欧米各国で外出制限が強化され、日本でも緊急事態宣言が再発される中でも、世界の株式市場は静かな強気に包まれています。ドイツ銀行による市場関係者へのアンケート調査では、2021年の最も有望な投資対象は株式で、最も避けるべき投資対象は「現金・預金・債券」と、かつてないほどのリスク選好・強気な展望になっています。これはワクチンへの期待も当然ありますが、それ以上にアフターコロナの明るい社会、世界経済の高い成長への期待もありそうです。

 参考になるのは今から100年前の世界です。1917年から19年にかけて、スペイン風邪が流行し、世界で約5000万人が亡くなり、日本でも45万人がなくなりました(当時の日本の人口は今の半分弱)。お伝えしたいのはスペイン風邪パンデミックが終了した1920年代の世界のことです。1920年代の社会はスペイン風邪流行前の平常に戻るどころか、パンデミックで怖い思いをした反動で、後に「狂乱の20年代」と呼ばれるほどのはじけかたをみせました。先進国では洗濯機や冷蔵庫が普及し、トーキー(音響付き映画)が爆発的に流行しました。日本でも大正デモクラシーという平和な時代を謳歌しました。

 100年前と今では異なるのでは、と考える方もいるかもしれませんが、現在のオーストラリアでの個人消費の伸びは参考になります。豪州は一時コロナ禍に苦しみましたが、昨年終盤には台湾と並んでコロナを克服しています。豪州の現状で特筆すべきは、個人消費が驚くほど伸びていることです。11月のレストランの予約件数は前年同月比(コロナ以前と比べて)で80%の伸びで、豪州国民がはじけているのが反映されています。

 つらい我慢の時代の後は、元の平時に戻るのではなく、反動でもっと明るい時代になるのではないでしょうか。「AIやEVなど新しい技術も後押しして、世界経済は思いのほか高成長の時代になる。」というのは世界の株価を見る限りあり得るシナリオです。私のブログを悪い初夢と切り捨てて、「株価はバブル」と言うよりは、少しだけでも投資に回す金額を増やした方が良いのかもしれまん。

FM福岡で毎日放送中!「トゥデイズマーケットインフォメーション」

FM福岡で毎日放送中!「トゥデイズマーケットインフォメーション」

最後に私が毎日マーケットについてコメントをしている、FM福岡の放送内容を紹介いたします。

 老後資金2000万円問題や人生100年時代が言われ、資産形成や退職準備に変化が出始めています。フィデリティが実施したアンケートでは、資産形成に関する大きな変化が起きていることが解ります。回答のうち投資をしているという人が40.5%に達し、2015年の30.4%から比率が10%以上高まり、初めて投資家比率が4割をこえました。市場の上げ下げに関わらず投資家比率が上昇しており、積立投資を続ける若年層が多くなっているようです。コロナ禍で生活が大変でも投資家比率は上昇を続けており、若い人を中心に投資をする人が増えたことは素晴らしいことです。これからの日本を考えるうえで高く評価すべきだと思います。(1月6日放送分)

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