相談者:Aさん(鹿児島県在住)
夫28歳(会社員)、妻26歳(会社員)
Q. 賃貸を探すか一戸建てを購入か、どちらが適切?
昨年結婚し、来年6月に第1子を出産予定。1歳まで育休を取り、時短で職場復帰したいと考えています。
春に転職したばかりで、時短の際の収入面は確認中ですが、ボーナスはあまり影響がないと聞いています。
子どもが生まれると今のアパートが手狭なため、引っ越しを検討中。契約更新時の来年1月までに別の賃貸を探すか、再来年の職場復帰前までに住宅を購入するかで悩んでいます。住宅購入の場合、予算は検討中ですが、交通の便が良い立地の一軒家を希望。今は住宅購入に向け月6~7万円、ボーナスで年60万円の貯蓄が可能ですが、出産後はいくら貯蓄できるのか予想がつきません。
私は社会人2年目からiDeCoを始め、現在は投資信託とNISAも。夫はつみたてNISAを行っています。保険は結婚を機に見直し、スマホは夫婦で格安SIMへ。日々、出費を抑えるよう努めています。
賃貸を続ける場合も、いずれは住宅購入を希望。現時点では、賃貸と購入のどちらが適切でしょうか。また住宅を購入する場合、わが家はどの程度の予算まで検討してもいいのか、アドバイスをお願いします。
A. マイホームは時短勤務から本格復帰の頃に取得を
家計管理は優秀。今の黒字率が続けば4000万円台の家も実現可能
妊娠をきっかけに、広い家に引っ越そうと考える方は多いです。その場合、転居は安定期に入ってからがいいのですが、Aさんは今の家の契約更新の関係から、ややデリケートな時期になりそうですね。
やむなく安定期前に転居する場合は、梱(こん)包から荷ほどきまで引っ越し業者に任せるなど、無理をしないことが大切。体調は個人差がありますが、物件探しも頑張り過ぎないでください。
マイホームは注文住宅をお考えとか。子育てに適した地域、間取りや設備など、育休中に十分に検討するといいですが、課題は資金計画です。結婚後、住宅用に50万円蓄えたようです。今後、月6~7万円、ボーナスから年60万円の計画を実行すると、出産時には170万円程度の住宅資金ができます。
出産後については、育休手当や家賃の変更などが分からず、いくら貯蓄できるか不明なのですね。復帰後の収入や保育料も含め、一つ一つ確認し、物件価格や住宅ローン返済可能額をはじき出す作業が必要です。
賃貸か持ち家か、早く決めて取り組みたい気持ちは理解できるものの、「急(せ)いてはことを仕損じる」です。 〝時短勤務を終え本格的に職場復帰する頃にマイホームを実現〟の構えで、1月までに賃貸間の住み替えをするか、今の家で頑張るか、検討しましょう。
家計管理はきわめて優秀です。職場復帰後に今程度の黒字率が確保できれば、現在の家賃の2倍くらいのローン返済も可能。頭金や金利状況にもよりますが、4000万円台の家も夢ではなさそうです。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年11月5日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。