雇用調整助成金とは?対象や手続き&メリットと留意点をまとめました

雇用調整助成金とは?対象や手続き&メリット・デメリットをまとめました

雇用調整助成金とは、新型コロナウイルス感染症の影響によって、業務縮小を余儀なくされた事業者への支援制度です。従前から継続している制度ではありますが、新型コロナウイルス対策として、特別に内容が拡充された部分もあります。本記事では、その対象や手続き方法、メリット・留意点についてまとめます。


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雇用調整助成金とは?簡単にわかりやすく説明

雇用調整助成金とは?簡単に解説

雇用調整助成金は、国による金銭的な肩代わり

雇用調整助成金とは、本来であれば雇い主が負担する休業手当を、所定の審査を経て認定が下りれば、一定の助成率の範囲内で「国が金銭的な肩代わり」をしてくれる、というものです。個人で申請するのではなく、雇い主側が申請し、雇い主に交付されるお金です。

新型コロナウイルスによる特別措置

雇用調整助成金自体は、これまでも存在していた制度です。会社の都合により、従業員に休業させざるを得ない場合、一定のサポートをすることが目的でした。

新型コロナウイルス感染拡大による経済的な影響は大きく、その対策の一環として、雇用調整助成金の中に特別措置として新設されたのが、本記事で紹介している内容です。

2020年(令和2年)6月に手続きが大幅に簡素化

新型コロナウイルス対策として開始された当初は、手続きが煩雑で入金されるまでに非常に時間がかかることが問題になっていました。そのような声を受けて、2020年(令和2年)6月に手続きが大幅に簡素化され、現行制度ではシンプルな申請様式となっています。

管轄は厚生労働省

雇用調整助成金の担当省庁は厚生労働省です。申請の際に必要な書類一式は、厚生労働省ホームページ内の雇用調整助成金の特設ページからダウンロードできます。

パソコン環境がない場合は、お住まいの地域の都道府県労働局(ハローワークなど)に尋ね、申請書類の配布場所を確認しましょう。

雇用関係の専門家は社会保険労務士

雇用関係の申請に関するプロは社会保険労務士(社労士)です。まずは、普段から社会保険に関することをお願いしている社労士に相談してみるのもよいでしょう。

顧問契約などを結んでいる社労士であれば、普段の労務関係を把握しているため、相談への解答もスムーズであると考えられるでしょう。

雇用調整助成金の給付対象

雇用調整助成金の給付対象

給付対象

雇用調整助成金の対象は、雇用保険に加入しており、新型コロナウイルス感染症によって影響を受けている全業種(会社・個人事業主)です。

新型コロナ対策でもっとも特徴的な内容は、次の「特別措置として雇用保険未加入者も給付の対象とする」というものです。

緊急雇用安定助成金

本来、休業手当とは雇用保険の中の制度です。ですが、就業時間が規定に満たないなどの理由から、雇用保険未加入のアルバイトやパートの従業員に関し、新型コロナ対策として特例が設けられました。

内容は「雇用調整助成金」とほぼ同じですが、雇用保険に加入していない場合の制度は「緊急雇用安定助成金」という名称です。申請に必要な書類などが異なるため、間違いのないように注意しましょう。

第2次補正予算案による見直し・拡充

2020年(令和2年)6月12日、第2次補正予算案が成立し、雇用調整助成金の制度全体の見直し・拡充が決定しました。制度の基礎自体は変わりませんが、助成額の引き上げや、助成率の拡大など、より使いやすい制度になったといえるでしょう。

雇用調整助成金の条件と概要

雇用調整助成金の条件と概要

給付の条件や制度の全体的な概要について、以下リスト形式でまとめます。その後、制度自体に難しいイメージを持っている人にもわかりやすいよう、補足や注意点を解説します。

給付の条件や制度の全体的な概要一覧

  • 最近1か月の売上高が、前年比同期比5%以上減少していること

  • 助成率は中小企業で4/5、大企業で2/3

  • 解雇などをせず雇用維持を行う場合の助成率は、中小企業で10/10、大企業で3/4

  • 助成額の上限日額:1万5,000円(8,330円から引き上げ)

  • 計画届の提出は不要

  • 申請期間は2020年(令和2年)9月30日まで(当初6月30日までだったが延長された)

  • 申請先は都道府県労働局またはハローワーク(相談先も同様)

助成金を申請するタイミングについて

従来の雇用調整助成金は、企業ごとの給与締め切りのタイミングで、1か月分ずつ申請する決まりでした。しかし、新型コロナウイルス感染症による特別措置では、まとめて申請することも可能となっています。

助成額の上限金額引き上げに関して

すでに雇用調整助成金を「上限8,330円」にて受け取っている企業や個人事業主でも、2020年(令和2年)4月1日に遡って、1万5,000円が適用されることになりました。別途の手続きは不要で、その差額分について支給があります。

実際に助成金がもらえる時期について

厚生労働省による雇用調整助成金についてのアナウンスでは、「助成金の認定を受けてから約1か月を目途に助成金を交付したい」ということでした。あくまで、認定から交付までの目途が1か月です。申請から認定までの時間も含めると、さらに長期にわたることも予想されます。

申請をした後に審査に入りますが、書類に不備があった場合などは、さらに時間がかかることも考えられます。このようなことから、時間的・金銭的な余裕を持って、早めに申請手続きを行うことをおすすめします。


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雇用調整助成金の申請手続き

雇用調整助成金の申請手続き

企業の従業員数によって、揃えるべき書類などが異なります。それぞれまとめますので、自身の該当する項目を確認してください。

なお、支給申請書は、厚生労働省ホームページ内の雇用調整助成金専用ページの中にあります。パソコン用および手書き用が用意されています。

従業員数20名以下の中小企業または個人事業主

こちらに該当する場合は、様式ダウンロード(新型コロナウイルス感染症対策特例措置)の中から、「小規模事業主用」を使用します。さらに、雇用保険の加入状況によって2つに分かれます。

雇用保険被保険者用

休業を実施した場合、「申請マニュアルの休業編」を参考にしながら提出書類を作成します。売り上げがわかる書類、休業協定書、従業員が休んだ日付(時間)がわかる書類などが必要です。

添付書類として特徴的なのは、代表者以外に役員がいる場合は、役員名簿のようなものの写しが必要という点です。

それ以外の小規模事業主

雇い主(企業・個人事業主)と従業員が、どのような内容で契約していたのかわかる書類が求められます。どのような内容で契約していた人が、どのような休み方をしたのかといった、勤務管理のわかるものも必要です。詳しくは厚生労働省資料「雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)」「雇用調整助成金ガイドブック」を参照してください。

審査の結果、支給されない場合も

補助金や助成金は、必要な書類を揃えて申請をした後に、一定の審査があります。制度の趣旨に合致しているか、支給要件を満たしているかなどが精査されます。

正しい申請をしたにもかかわらず、何らかの理由で不支給となる可能性もあります。その場合は、要件を確認するなどして、再度申請を検討してみましょう。

虚偽の申告にはペナルティがある

虚偽の申告や不正をして受給を受けた場合、支給された額を全額返還しなければいけません。管轄の都道府県労働局のホームページ上で、事業主の名称や代表者の氏名などが公表されることもあります。さらに悪質な不正受給の場合は、刑事告訴も行うとしています。

雇用調整助成金のメリットと留意点

雇用調整助成金のメリットと留意点

ここまで、制度の概要や申請方法について解説しました。ここからは雇用調整助成金に関して、メリットと留意すべき点をまとめます。

メリット

  • 貴重な従業員の解雇を免れることができる

  • 従業員に支払う休業手当の金銭的補填が大きく、安心感につながる

  • 新型コロナ対策が長期化しても金銭的な負担が減る

  • 新型コロナウイルスの影響が長期化した場合の貴重な資金の一部となる

従業員の解雇を防ぎ、金銭面の安心感を得られる

雇用調整助成金の最大のメリットは「従業員の雇用を守ることができる」ということです。

企業は、人材あってこそといえる部分も大きく、いくら新型コロナウイルス感染拡大予防のためとはいえ、貴重な人材を解雇するというのは、事業者なら避けたいリスクでしょう。

その部分を、少なくとも金銭面で補ってくれるのが、雇用調整助成金です。たとえ業務の規模縮小などが長期化したとしても、一旦まとまった助成金が入金されれば安心感は強く、その後の事業継続にもつながるといえます。

留意すべき点

  • 休業手当の全額を助成金でカバーできない場合、企業側の負担がないわけではない

  • 申請から交付までに時間がかかる可能性(=資金繰りの面で不安がある)

  • 専門家である社会保険労務士や都道府県労働局が混雑している

企業側の負担がないわけではない

雇用調整助成金では、一部の条件を除いて、従業員に支払った休業手当全額をもらえるわけではありません。そうなると、少なからず企業側としても負担を負うということです。助成金をもらっても、その額が十分ではない場合などは、従業員を解雇せざるを得ない状況も考えられます。

まとめ

雇用調整助成金は、事業主にとっても、働く側にとっても、メリットの多い制度といえます。制度が始まった当初よりも申請手続きが簡素化され、より多くの事業主が申請しやすくなっています。働く環境を守るため、働く人材の流出を防ぐために、ぜひ申請を検討しましょう。

※当記事は助成金の給付を保証するものではありません。詳しい説明は、厚生労働省Webサイトよりご確認ください。


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