【ぼくたちの子育て】パパになるとは、役割が変わるということ | 博多阪急・加藤大貴さん

長澤由紀

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2021年8月24日 (火)

学生時代から陸上に取り組み、スポーツ好きの加藤さん。子どもが生まれてすぐは、仕事と育児をしながら陸上を続けることは不可能だと思っていました。スポーツができない生活がストレスになっていたそうですが、ある日、子育てに影響なく陸上を楽しむ方法を見つけます。自分の好きなことと家族のどちらも大切にする方法を教えてもらいました。

■Profile
加藤 大貴(かとう だいき)さん
博多阪急/ライフスタイル営業部
1987年生まれ。福岡市出身。関西大学卒業後、博多阪急のオープニングに携わる。陸上の経験を活かし、3年間スポーツ用品売り場を担当後、リビングフロアに異動。現在は、同フロアにてマネージャーを務める。2012年12月に2歳年下の真知(みさと)さんと結婚し、小学2年生の千咲(ちさ)ちゃんと、保育園年小の咲和(さわ)ちゃんの子育て中。

パパになる前の意識は"人並み"

――お二人の出会いをお聞かせください。

出会いは飲み会でした。僕も妻も陸上をやっていたので、共通の話題で盛り上がったんです。そこから約1年半付き合って、25歳のときに結婚しました。

――結婚当初から子どもを持つことや育て方などについて話されましたか?

子どもが欲しいという話はしていたんですが、育て方など具体的な話まではしていませんでした。子どもができたときは、人並みに嬉しくて、無事に生まれてきて欲しいなぁという、漠然とした気持ちでしたね。

――出産には立ち会われましたか?

はい、長女のときも次女のときも両方立ち会ったんですが、どちらも順調にはいかず。1回目は、妻が胎盤剥離して、出産後の出血が多く病院に運ばれて手術したんです。2回目は、娘が感染症の疑いがあって、生まれた翌日から3週間ぐらい入院しました。今は母子ともに無事で、家族全員元気に過ごしています。

誰も教えてくれなかった子育ての現実

――2回とも、大変な出産を経験されたのですね。千咲ちゃんが生まれて、初めての育児はいかがでしたか?

最初の10カ月くらいは苦痛でしかなかったです。夜泣きがひどく、翌日仕事があっても熟睡できないのが大変でした。何もできない、きつかったというのが正直な気持ちです。

子育ての良いところを教えてくれる人はたくさんいるのに、なんで誰も裏側を教えてくれなかったんだろう?と思っていました。だから僕は、これから親になる人には、正直に伝えていくようにしています。

子どもが喋るようになって、ちょっとずつ意思疎通ができるようになった頃から、ようやく育児が楽しいと思い始めました。

――家事や育児はどのように分担していますか?

時間で分担しています。妻は8時頃出勤して、僕の百貨店の仕事は、9時半に始まるので、朝は僕が担当しています。朝早起きして朝食と保育園の準備をして、保育園に送って、職場に向かうという流れです。夜は僕のほうが帰りが遅いので、夕方以降の家事育児の方が負担は大きいと思いますが妻に任せています。

――仕事と子育てのバランスはいかがですか?

最初の1年は、生活リズムに慣れることができず、しんどかったです。子どもが生まれる前は、母校の陸上部に顔を出しに行ったり、よく走りに行ったり、好きなことをしていたんですが、生まれてからはなかなかできなくなりました。運動をずっとしていたいという思いがあったので、それができない生活に、ストレスが溜まっていましたね。仕事が終わってから夜走っていた時期もあったんですが、疲れて帰ったあとに走るのは大変で、その生活はなかなか続きませんでした。

パパでも趣味を諦めない方法

――結局、陸上は諦めてしまったんでしょうか?

いえ、誰にも迷惑がかからない時間の使い方を思いついたんです!朝5時半に起きて、子どもが起きる前に運動することにしました。朝から公園に行って、砂場で跳躍をやっています。

――子育てと陸上を両立する良い方法ですね!

はい、Instagramで「#朝トビ」で検索すると僕が出てきます。バズると思ったんですが、今もまだ、このハッシュタグを使っているのは僕だけですね(笑)。去年の5月にこれを始めてからもう1年半経ったんですが、仕事と子育てだけに集中していた頃と比べると、心も体も元気です。家族に迷惑がかからない方法であれば、やりたいことは絶対にやったほうがいいと思います。

1人のときよりむしろ楽に?

――咲和ちゃんが生まれてから、1人のときと比べて育児にどんな変化がありましたか?

1人目の経験が役に立って、余裕が出てきました。それぞれ保育園が違ったので、毎朝2箇所に送っていたんですが、時々朝パン屋さんに寄って、3人でモーニングをしてから保育園に行く日を作ったりして。以前の僕だったら毎朝無理してごはんを作っていたかもしれませんが、ちょっとした楽しみも取り入れながら家事・育児ができるようになりましたね。一時期は、週3でパン屋さんに行ってるときもありましたが(笑)。

――千咲ちゃんが小学校に上がってからは、それ以前と変わったことはありますか?

育児はかなり楽になりました。なんでも自分でできるようになって、最近では、「パパ別にいなくてもいいよ」ぐらいの感じです(笑)。

――もうしっかりお姉さんですね。女の子2人の子育てはいかがですか?

2人ともママが好きなんですよ。何かあったら僕が先に怒ってしまうので、僕は嫌われ役を担当しています。でも、娘たちからは、「怖くない」とか「すぐ怒る」と、いつも言われています(笑)。

――休日は子どもとどのように過ごしていますか?

休みの日は家族で出かけるんですが、那珂川市や熊本に陶芸家の知り合いがいて、娘2人を連れてそこに遊びに行くこともあります。実は、僕自身も最近陶芸作家としての活動を始めたところで、家に「ろくろ」があるんです。これから子どもたちとも一緒に家で陶芸を楽しめたら良いなぁと思います。

――また新たな楽しみが増えましたね。どうして陶芸を始めようと思ったんでしょうか?

リビングというカテゴリで仕事をしていて、ものを販売するだけではなく、ものづくりのプロセスも知っておきたいと思ったんです。それから、発信の仕方次第で、活動を広く知ってもらえるチャンスがある今、サラリーマンであっても、陶芸作家としての活動にも挑戦できるんじゃないかと思って始めました。今度、音楽を流しながらろくろパフォーマンスをするイベントも企画しています!

YouTube、意外と悪くない

――子どもにはどんなふうに育って欲しいですか?

自由にやりたいことをやって欲しいというのが一番なんですが、発信力を付けてくれたら良いなぁと思います。今は、InstagramなどのSNSを始め、個人の声が直接多くの人に届く時代なので、発信力が大切なんじゃないでしょうか。これは、仕事でイベントの企画運営をしていてもよく思うことです。

――発信力を身に着けるために何かやっていることはありますか?

最近、子どもたちがYouTubeにハマっていて、僕も一緒に見ているんですが、子どもたちと同じくらいの年齢のYouTuberもいるんですよね。それを真似して、"YouTubeごっこ"をしています。カメラをセットして、今日あった出来事を話すんですが、それが、自分をアピールする練習になっているようです。

――YouTubeが教育に役立っているんですね。

最初は、YouTubeはあまり見せたくないと思っていたんですが、完全に偏見でした。過激な動画などが出てこないようにフィルターをかけていますし、今は良い教材として活用しています。

あとは、本当は陸上をやってくれたら嬉しいんですが、自分からやりたいって言わないと意味がないと思っているので、直接は言わず、僕が陸上をする姿だけ見せています。今のところ、2人とも、なかなかやりたいと言い出してくれません(笑)

役割が変わることに気づく

――これからパパになる人や今子育て中のパパたちにメッセージをお願いします。

パパになるということは、「役割が変わる」ということだと思います。子どもが生まれてからも自分の役割が変わったことに気づかず、好きなことばかりしていたら、当然、夫婦喧嘩に発展したり、夫婦間のコミュニケーションが取れなくなったりするので、意識を変えていかないといけないと思います。

それから、InstagramやYouTubeで、育児の悩みや本音を発信してくれている方がいます。育児の良いところだけを切り取って発信している人は多いですが、マイナスな面を発信している人ってあまりいないと思うんです。正直な気持ちを書いてくれている人を見ると、共感できて、なんだか救われます。育児中、辛いと思ったら、ぜひ、同じ境遇の人の言葉を読んでみてください。

取材後記

「育児の裏側」を伝えていきたいと、正直な気持ちを語ってくれた加藤さん。大変な部分を語ることができるのは、育児と向き合っている証拠なのだと思います。初めは仕事と育児に追われていた毎日に、趣味を取り入れることで心に余裕が生まれ、今はお子さんとの時間も楽しまれているのが伝わりました。陶芸という新たな挑戦も加わり、加藤さんとご家族の生活がより一層濃いものになっていきそうですね!

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