子育て支援を促すくるみんマークとは?認定基準や申請方法、認定を受けるメリットを確認しよう

子育て支援につながる「くるみんマーク」をご存じでしょうか。くるみんマークは、働きながら子どもを育てる従業員に対してサポートを行う企業の証です。本記事ではくるみんマークの制度の内容や認定基準、申請などについてまとめていきます。

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くるみんマークとは

くるみんマークの認定制度は、2007年(平成19年)4月1日にスタートしました。事業主(企業側)は次世代育成支援対策推進法に基づき、従業員の子育て支援のための行動計画を策定・実施します。

その結果が一定の要件を満たす場合に、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定を受けることができます。この認定を受けると、その証としてくるみんマークを使用できます。

次世代育成支援対策推進法とは

くるみんマークの基となっている「次世代育成支援対策推進法」とは、2005年(平成17年)に施行された法律です。「子どもを育てる環境作りは家庭だけではなく、国や地方公共団体、企業などがそれぞれの立場で義務を担っていきましょう」という意図が込められています。

くるみんマークが持つ意味

くるみんマークを使用できるのは、「子育てサポート企業」として認定された場合のみです。つまりくるみんマークは、その企業で働く従業員にとって子育てがしやすい職場環境であることを証明するものです。

くるみんマークの認定基準

くるみんマークの認定を受けるためには、行動計画の計画期間を経て、10種類の基準をすべて満たす必要があります。

認定基準について、厚生労働省ホームページ内「次世代育成支援対策推進法関連パンフレット[2020年(令和2年3月)]」のうち、くるみん認定に関する部分を参考にまとめていきます。

認定基準1:雇用環境の整備

雇用環境の整備について、「行動計画策定指針」をもとに適切な行動計画を策定します。その計画には、以下の2項目のうち1項目以上が盛り込まれている必要があります。

● 妊娠中の労働者および子育てを行う労働者などが、職業生活と家庭生活を両立できるよう支援するための雇用環境の整備

● 働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備

認定基準2:行動計画の期間

行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であることが必要です。

認定基準3:策定した行動計画の実施および目標達成

策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成することが求められます。

目標を達成したら、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ申請します。その際には目標達成を証明できる具体的な資料の添付が必要です。例として、以下の資料が挙げられます。

● 育児休暇やノー残業デーを社内に導入した後の就業規則などの写し

● 育児休業をした労働者の氏名および育児休業をした期間が記載されている書類

● 行動計画実施前後の労働者1人当たりの各月の所定外労働時間数(企業の自己申告)

● 子育て支援制度周知のための措置を実施した年月日の分かる資料の写し

● 子育て支援制度に関する各種研修を実施した年月日の分かる研修開催通知や実施結果の写し

認定基準4:策定・変更した行動計画の公表および周知徹底

策定・変更した行動計画について、公表および労働者への周知を適切に行っていることも認定の条件のひとつです。具体的な周知徹底の期間として、行動計画を策定または変更した時からおおむね3か月以内に行うこととされています。

認定基準5:男性労働者の育児休暇等の取得率について

男性労働者の育児休暇取得などを行動計画に盛り込むことも認定の要件となっています。以下の2項目のうち、いずれかの内容を満たす必要があります。

● 計画期間内において、男性労働者のうち育児休業等を取得した人の割合が7%以上であること

● 計画期間内において、男性労働者のうち育児休業等および企業独自の育児休暇制度を利用した人の割合が併せて15%以上であること、かつ育児休業等を取得した人が1人以上いること

労働者が300人以下の一般事業主の特例

労働者が300人以下の一般事業主は、計画期間内に男性の育児休業等取得者がいない場合でも、一定の要件を満たせば基準を満たしたとされます。

一定の要件とは、男性従業員のうち、計画期間内に子の看護休暇を取得した人や時短勤務を利用した人がいることなどです。

認定基準6:女性労働者の育児休業等の取得率について

計画期間内において、女性労働者の育児休業等取得率が75%以上であることが要件です。ただし、計画期間内に出産または育児休業等をした有期契約労働者のうち、育児・介護休業法上の育児休業等の対象とならない人は、計算から除外してもよいとされています。

労働者数が300人以下の一般事業主の特例

計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算し、女性の育児休業等取得率が75%以上であれば基準を満たしたと判定されます。

認定基準7:始業時間の変更や時短就業について

3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者について、育児休業や時短勤務、始業時間の変更などの措置を講じていることが必要です。具体的には、フレックスタイムや時差出勤の導入、ベビーシッターの手配や費用負担などがあります。

3歳から小学校就学前の子どもを育てるすべての労働者に適用する必要があり、有期契約労働者などを除外することはできません。

なお、これらの措置は計画期間前から実施されているものでも問題なく、計画期間終了時までに実施されていればよいとされています。

認定基準8:時間外労働(残業)の取り扱いについて

計画期間の終了日の属する事業年度において、以下の2項目をどちらも満たしている必要があります。なお、認定申請時に退職している労働者は計算に含みません。

● フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の各月平均が45時間未満であること

● 月平均の法定時間外労働が60時間を超える労働者がいないこと

認定基準9:労働条件の整備などに関する3項目への取り組み

次の3項目のいずれかの措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施していることが必要です。

● 所定外労働を削減するための措置(ノー残業デーの導入拡充、フレックスタイム制や変形労働時間制の活用など)

● 年次有給休暇の取得を促進するための措置(年次有給休暇の計画的付与制度の導入など)

● 働き方の見直しに資する多様な労働条件を整備するための措置(短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークなど)

なお、成果に関する具体的な目標は、必ずしも行動計画の目標に含める必要はないとされています。

認定基準10:重大な法令違反がないこと

法および法に基づく命令や、その他の関係法令に違反する重大な事実がないことも条件の一つです。その他の関係法令違反の主な内容として、以下のようなものが挙げられます。

● 男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パートタイム労働法、女性活躍推進法で勧告される

● 労働基準法、労働安全衛生法等に違反して送検公表される

● 長時間労働等に関する重大な労働関係法令に違反し、是正の意思がない

このほか、障害者雇用促進法や高年齢者雇用安定法、労働者派遣法に基づく勧告に従わずに公表されることなどもあります。

くるみん認定の申請方法

上記の10項目すべてに該当したら、実際にくるみん認定の申請へ進みます。「基準適合一般事業主認定申請書(様式第二号)」に必要書類を添付し、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ申請します。郵送・持参・電子申請のいずれかで申請が可能です。

追加書類が必要になることも

厚生労働省の資料やホームページに記載されている必要書類のほかにも、必要に応じて追加で提出を求められる場合があります。不明点は、あらかじめ提出先の労働局へ尋ねておくとよいでしょう。

くるみんマークを取得するメリット

近年、子育て支援への取り組みは重要視されつつあり、くるみんマーク自体の認知度もアップしてきています。くるみんマークの取得にはどのようなメリットがあるのかを見てみましょう。

子育てサポート企業としてアピールできる

くるみんマークの認定を受けた企業は、くるみんマークを自社の製品や広告(求人広告も含む)に使用できます。これによって、子育てサポート企業だということを対外的にプロモーションできます。

子育てサポート企業と広く認知されると、結果として企業イメージの向上が期待できます。また、従業員のモラルアップ、それに付随した生産性の向上、優秀な従業員の採用および定着にもつながります。

認定企業への税制優遇措置もある

くるみんマークの認定を受けた企業は、取得、新築、増改築をした建物およびその附属施設について、普通償却限度額の32%の割増償却が可能です。適用となるのは、認定を受ける対象となった行動計画の開始日から、認定を受けた日を含む事業年度終了の日までです。

割増償却とは、簡単にいうと、通常より多くの金額を費用として計上できるということです。これにより、適用される期間の税金が軽減されます。

プラチナくるみんとは

くるみんマークの認定を受け、さらに子育て支援に対して高度な取り組みを行っていると認められた企業は、「プラチナくるみんマーク」を申請できます。認定を受けるとプラチナくるみんマークの使用が認められ、企業イメージの向上などに活用できます。

プラチナくるみんは2015年(平成27年)から開始された制度です。申請の手順などはくるみんマークとほとんど同様ですが、行動基準が10種類ではなく12種類に増え、さらに詳細な計画が求められます。

2021年(令和3年)度の子育て支援制度の拡充

2021年(令和3年)度から国の子育て支援制度が拡充されることがわかっています。その新制度の対象になるのは、くるみんやプラチナくるみんの認定をすでに受けている企業です。

新制度の概案

新制度の一番の核となるのは、子育て支援に積極的な中小企業に対し、年間50万円を助成するという内容です。子育て支援に取り組む企業の多くが大企業であることから、新制度では中小企業での子育て支援の促進を目的としています。

対象は従業員300人以下の中小企業で、くるみんやプラチナくるみんを前年度に取得するなどの条件があります。この新制度は、2021年(令和3年)の通常国会へ提出する「子ども・子育て支援法改正案」に盛り込むとされています。

新子育て安心プランの策定

2021年(令和3年)度の新制度では、「新子育て安心プラン」として保育所の待機児童解消に向けた内容も盛り込まれます。具体的には、2023年(令和5年)から2026年(令和8年)度末の4年間で、14万人分の保育の受け皿を整備するとしています。

そのためには保育士の確保、保育施設の整備が不可欠で、同時に育児休暇の取得促進も重要な施策であると考えられています。年間50万円の助成と保育環境の充実によって、より子育てしやすい環境作りが期待されます。

くるみんマークに関するまとめ

くるみんマークの認定は、「仕事と子育ての両立」を推進している企業の証です。認定を受けるためには決められた10項目を具体的に計画・実施する必要があります。企業イメージの向上にもつながるため、ぜひくるみんマークの取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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