福岡市はVC視点で魅力!創業初期からの支援で最短距離の成長を後押しする | 一般社団法人StartupGoGo代表理事 岸原稔泰さん

寺尾えりか

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2021年2月9日 (火)
福岡市はVC視点で魅力!創業初期からの支援で最短距離の成長を後押しする | 一般社団法人StartupGoGo代表理事 岸原稔泰さん

"経営者は孤独"と言われますが、特にスタートアップ企業の場合は、一人や少人数体制のため、起業前や立ち上げ期には悩みも多いものです。
そんな方々のサポートをしようと、福岡市では行政をはじめ、民間と連携したスタートアップ支援の土壌を整えています。
そこで本特集では、どのような支援者がいるのか、支援する側の想いを掲載することで起業を志す方へ安心をお届けします。

「スタートアップ都市・ふくおか」宣言が発表されて以来、福岡市におけるスタートアップの機運に盛り上がりを見せる中、2014年に有志によって立ち上げられたスタートアップイベント「StartupGoGo」。「立ち上げ直後から、予想以上の反響をいただいた」と代表パートナーの岸原さんが言うように、「StartupGoGo」はその後、コワーキングスペース「天神COLOR」の運営や福岡から海外への進出支援のほか、海外スタートアップの日本進出支援なども展開。さらに2019年4月にはベンチャーキャピタルも設立した。岸原さんはなぜ福岡のスタートアップに支援を続けるのか、福岡で起業することのメリットなどを岸原さんにうかがった。

岸原さん

■プロフィール
一般社団法人StartupGoGo 代表パートナー
岸原稔泰(きしはらとしひろ)さん

1973年北九州市生まれ。国際流通グループや、ベンチャー証券会社などでの経験を経て、2016年1月、一般社団法人StartupGoGoを設立して代表パートナーに就任。西鉄や凸版印刷などとスタートアップとの協業を目的としたオープンイノベーションプログラムを開催。2019年4月には、GxPartners有限責任事業組合を立ち上げ代表パートナーに就任。

ゼロイチから起業家に寄り添う

――VC(ベンチャーキャピタル)を立ち上げるまでの経緯を簡単に教えていただけますでしょうか。

岸原:2014年に福岡市が国家戦略特区に指定されたのを機に、自分たちでベンチャー支援をやりたいという想いで始めたのがピッチイベントの「Startup GoGo」なんですが、しばらく活動していると「国の委託事業に応募してみないか」「こういう事業もやってみないか」といったお話いただくようになって。けれども「Startup GoGo」は法人格でもなければ、メンバーも有志で集まっただけなので、そういう規模感の仕事も受けるために器が必要だな、ということになり、一般社団法人Startup GoGoを立ち上げることになりました。その後、もっと包括的にスタートアップ支援を行える事業をしていかなくてはならない。そう考えた時の選択肢のひとつとして浮かんだのがVCでした。自分自身VCはいつかやりたいと思っていて、ちょうどタイミングよく「ファンドやるなら応援するよ」といろんな方にお声掛けいただき、2018年1月にVCであるGxパートナーズを立ち上げ、2020年4月から九州オープンイノベーションファンドを創設しました。

イベント

――VCの役割は企業にとってどういったものなのでしょうか?

岸原:私たちのことで言いますと、シードやアーリーステージといった、創業初期のスタートアップをターゲットとして投資しています。そのステージにいるスタートアップはメンバーがまだ揃ってないことが多いので、人的リソースが圧倒的に足りないんです。だからこそ、資金面だけではなく営業先や人材の紹介、戦略構築のサポートなど、VCを含めた周りの人たちがいかに起業家を支えられるかがステージアップのためには大切なんです。また、資金調達に関しても、シード期だけで終わるわけではないので、次のフェーズに向けて別のVCを紹介したり、打ち合わせに同席するなどの協力も重要な役割だと思います。

――福岡市におけるVC情勢はどのような状況なんでしょうか。

岸原:2014年時点ではVCは福岡市に2社しかなかったんです。ところが今は弊社を含めて9社にまで拡大。しかも、うちのようにシード期から投資できるところばかりなんです。つまり、それだけ福岡市のスタートアップ市場に投資機会があるということを意味しているのですが、東京以外で考えるとこれだけシード期から投資を行えるファンドがあるのは、福岡市くらいだと思います。もちろん商売として実質的なリターンは必要で、経済的な合理性がなければ投資しないですので、福岡市のスタートアップはしっかり成長しているし、それを見た他のみなさんもチャンスがあると思って、追いつけ追い越せでやっていると言えるのではないかなと思います。

――海外からの注目度も高かったそうですね。

岸原:国家戦略特区になったメニューのひとつに"スタートアップビザ"という外国人が日本で起業するときの仮免許のようなビザがあるんですが、これが結構効いたようです。フランス人がふらっと福岡市に来て、気に入ったからコワーキングスペースを借りて起業します、みたいなケースが想像以上に多かったんです。福岡市は11カ国・15拠点の国々とMOU*を締結していますよね。その関連イベントなどで「福岡市にこういうものがあるからどんどん来てね」と市長自ら発信したりしていたのが大きかったんだと思います。東京でも同じ様な規制緩和策があるんですが、スタートアップビザを利用した人数は東京より福岡の方が多かったと聞いています。

*MOU…行政機関等の組織間における合意事項を書面化したもの

起業において好条件が揃う福岡市

――支援者側から見て、福岡市で起業するメリットはどういうところにあると思いますか?

岸原:まず、支援メニューや支援者が充実していると思います。VCが多いのはもちろん、インキュベーション施設もあるしメンターになってくれるような先輩起業家も多く出てきています。そのほか、大企業が積極的にスタートアップとの協業をやってくれるオープンイノベーションの環境もあるなど、スタートアップに有利なパーツが揃っているのが福岡だと思います。あとは、ある程度の経済規模がありつつも街自体はコンパクトなので、支援してくれる人と出会いやすいというメリットもありますね。

――福岡市で起業家が増えることでどのような効果を期待していますか?

岸原:新しい企業が生まれてこないと福岡市の経済はどんどん衰退していくと思うんです。既存企業はもちろん重要な役割を担っているんですが、大きな組織や長年積み上げた資産がある会社が新しいことにリスクを取って挑戦することはやっぱり難しいんですよね。一方スタートアップは新しい技術や方法論でイノベーションを起こしやすいし、成長余力が大きい。だからこそ、スタートアップが増えれば経済はどんどん活性化していくと思います。福岡市には起業家を育てる土壌が整っているので、良い経済サイクルが生まれてほしいですね。

――Gxパートナーズとしての今後の展望を教えてください。

岸原:"福岡を拠点にしている世界に通用するアクセラレーターがいる"と言われるようになりたいですね。ローカルだけではなく東京を含む国内やアジアを中心とした世界のスタートアップの支援も積極的に行っていきたいです。実際に今年のStartup GoGoに登壇したスタートアップのおよそ半分は東京の企業でしたし、海外企業は7カ国のスタートアップが参加していました。

岸原さん2

――最後に、起業を考えている方にアドバイスがあればお願いします。

岸原:自分が創るプロダクトで社会にどう貢献するのか、という志みたいなものが一番大事だと思います。ただ、強い想いはあっても一歩踏み込めないという人も多いと思うんですよね。そういう時はちょっと前に起業した先輩の話を聞いてみてください。すでに成功している人のところにいくと距離を感じてしまうかもしれませんが、一歩二歩くらい進んだ人の話を聞くと「自分でもできるんじゃないか」という"健全な勘違い"ができるというか(笑)。でも、それって結構大事だと思っていて、最初の難しい一歩を踏み出すひとつのきっかけになるのかなと思っています。福岡市ではそういった先輩たちが集まるインキュベーション施設もあるし、コミュニティも活発なので、話を聞くチャンスは多いと思います。もちろん私のところに相談にきてもらってもいいですよ。

創業初期から資金面で手厚く支援してくれるVCが多くいる福岡市は、これ以上にないほどの理想的な環境が整っている。こういった支援を受けたスタートアップが成長し、新しいサービスや製品が生まれることで、福岡の街全体が活性化し、都市の成長につながっていくのだ。今後「StartupGoGo」が、福岡市の成長に大きく貢献していくことは間違いないだろう。

一般社団法人StartupGoGo

URL:https://startup-gogo.com/
住所:福岡県福岡市中央区天神1-15-5 天神明治通りビル2F
TEL:092-781-8817

お知らせ

▷Fukuoka Growth Nextでは西日本シティ銀行スタッフが毎週水曜日常駐しています。創業に関するご相談も承っていますのでお気軽にお越しください。

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https://www.ncbank.co.jp/hojin/sogyo/sogyo_plaza/

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