福岡市で創業した理由は?イギリスからの挑戦者|Qurate・トムさん

Go!Go!ワンク編集部

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2020年9月30日 (水)

株式会社Qurate トム・ブルック社長に創業時の話を伺う

株式会社Qurateは、2014年の創業後、数々の賞を受賞してきたスタートアップ企業です。SNS管理ツール「Social Focus」や、コンテンツ管理システム(CMS)「Qurate Web」を開発。「Qurate Web」は、西日本シティ銀行のマーケティング・オートメーションを支えるシステムの一部としても採用されています。

創業者であり、現CEOのトム・ブルック氏に、福岡市で創業した理由やこれから創業したい人へのアドバイスについてお話を伺いしました。

■プロフィール

トム・ブルック

株式会社Qurate 創業者兼CEO

1979年、イギリス出身、福岡在住16年目。大学在学中より、タッチスクリーンのインタラクティブコンテンツのデザイン、プランニングを経験。その後デザイナーとして独立。また、バックパッカーとして世界各国を巡り、日本(福岡市)で、株式会社Qurateを設立。世の中に溢れるコンテンツに触れ続け、その中でもデジタルコンテンツに注目する。

多くの企業が抱えるデジタルコンテンツ管理の課題解決をはじめ、次世代のマーケティングプラットフォームの開発をしています。

― トム社長は、福岡に来て何年目でしょうか?

トム:2004年から16年目、ずっと福岡に住んでいます。

2002年〜2004年までは東京、横浜に住んでいました。

― 株式会社Qurateを東京や大阪ではなく、福岡で始めたきっかけは何でしょうか?

トム:20代の頃は、世界中を旅していました。イギリスじゃないどこかに住みたかったんです。

最初は日本に行くつもりはなかったのだけど、たまたま行ってみて、「ああ、日本は面白いね。」って、文化の深さを感じられ、今も昔からの文化が生きている。でも先進的なところ。

デザイナーとして、こういう環境に生きたいと思いました。

株式会社Qurate トム・ブルック社長

(想いを熱く語るトム社長)

― というと、たまたま福岡にいらっしゃったんですか?

トム:そうそう、丁度マレーシア、タイ、インドネシアにバックパックで行っていた時です。その時はそこからシンガポールに行く予定でしたが、マレーシアのクアラルンプールに変更して、さあこれからどうしようかと思っていたら福岡へのフライトがあったんです。

じゃあ、いってみようと。

福岡市に着いた初日、大名を歩いて「なんか、いいな。」って思いました。

トム:その後、仕事で東京に住む機会があり、東京の代理店からも仕事を受けていました。ロンドンの仕事と日本の仕事を両立させながらの生活でしたが、あまり顔を合わせる仕事ではなく、メールでやりとりをしていたのでそれだったら福岡に住もうかなって。

ちょうど、日本とイギリスの間でワーキングホリデー(ワーホリ)のビザが開始された年だったんです。ワーホリのビザを取得して福岡に住み始めました。

― 福岡の生活はどうですか?

トム:福岡市に住みながら、佐賀県の七山にログハウスを借りてそこで仕事をしたり、

空港は地下鉄で15分と近く、すぐに東京に行けますし、仕事柄、必要なものは、自転車で行けるところや自宅の周りで揃うので、時間の余裕もでき、考える環境をつくることができました。

僕が住んでいたイギリスに比べて、福岡は晴れ間も多く、天気のバランスがいいので気分も上がります。そうすると仕事も捗ります。

治安もよく、物価が安いので暮らしやすく、ワークライフのバランスがとりやすい街です。

福岡市中央区にある株式会社Qurate本社の風景

(福岡市中央区にある株式会社Qurate本社の風景コロナ禍では、リモートワークに移行し、どこからでも仕事ができる柔軟な勤務体制を整えている。)

― 福岡市のスタートアップを応援する政策についてはどうですか?

トム:行政はどんな国でも固くて自由に動けない。大変ですね。税金をもらって動いているから。みんな色んな意見を持っているし、お金の動きを報告しないといけない。例えば、若い人にとって嬉しいことは、もしかして年上の人には嬉しくないことかもしれない。そのバランスを守るのは大変ですね。自由になんでもできないですから。

その中で福岡市に感動したのは、新しいことにチャレンジしていること。FGNは良い事例です。

トム:もともと歴史ある建物、大名小学校を壊さず再活用して、その中にスタートアップコミュニティを作って、バーもいれる。これは行政っぽくない先進的な取り組みですよね。それに他の国ともどんどんMoUを結んでいって。

(MoUとは、主に行政機関が相互の協力関係を明記するために交わす契約の一種であり、国際交流協定等の文言で表現されることが多い。福岡市では、台北市(台湾)、ヘルシンキ市(フィンランド)、タイ国家、オークランド市(ニュージーランド)をはじめ世界各都市とMoUを締結している。)

参考:FGNとは、Fukuoka Growth Nextの愛称:グローバル創業・雇用創出特区である福岡市をはじめ官民協働型の創業支援施設。豊かな未来を創造するアイディアを持ったスタートアップ企業を支援することを目的としている。

FGN公式サイトはこちら : https://growth-next.com/

スタートアップの課題は、ネットワークを作ることにあります。

トム:それを続けないといけません。お金がないと続かないけど、売り上げがない中では大変です。でも福岡市がネットワークを作りやすい環境を「インフラ」として整えてくれました。福岡市に投資家が集まりやすいようサポートをし、ネットワークを持てるよう行政がインフラを提供してくれる。このインフラの上でコワーキングスペース、ファンド、コミュニティと色んなルーツが生まれ、出来上がってきています。インフラがなければ、みんなバラバラで小規模だったと思いますよ。これは想像以上に拡大しています。

福岡市トライアル優良商品認定事業に採択 株式会社Qurate

(福岡市トライアル優良商品認定事業にはじめてスタートアップとして採択された時の認定証)

― Qurateを設立して、実際にコンセプトを形にしてきた中で、大変だったことはありますか?

トム:スタートアップを設立することは、プロセスの一つであって、会社設立は他の業務と比べても難しいことじゃありません。色んな資料を読んで参考にして設立できます。みなさんできますよ。

何が難しいって、まずは自分のスタートアップのビジネスについて言語化し、他の人にどうやって伝えるかです。

最初のうちはおそらく、自分の考えや思いが体の中で沢山巡っているでしょうが、そのほとんどが自分の中にあるまま、まだ言語化されていないものです。

頑張って伝えても、周りが混乱したり、何がメリットなのかわかってもらえなかったり。

自分の考えを周りの人に伝えられるようになるには、ポイントを絞って、説明すること。言葉になっていないものを、ピッチ資料にするのはすごく大変です。

― 新しいシステムのアイディアはピッチを聞く聴衆にとっても、難しいかもしれません。

トム:そう、これはスタートアップにもよるでしょう。

例えば、既存の書店をオンラインの書店にするアイディアならわかりやすいでしょう。

それに、まずちゃんとプロダクトをつくらないといけない。

そして、それが売れないといけない。

つくることと、売ることという全く違う分野のフルタイムの仕事をしないといけません。

ゼロから、限られた資金とリソースで作るって本当に大変です。いままでにない経験をし続けることもあるでしょう。お客さんを見つけて、メンバーにできると信頼してもらわないといけない中で。とてもじゃないとそこに情熱がないとできません。お金が欲しいだけなら、他にもっと簡単な方法で稼ぐ道があると思います。

― 最後に、今から創業したい人へメッセージを

創業したい人へ、株式会社Qurate トム・ブルック氏からアドバイス

トム:うーん難しい。(笑)

起業したかったら、したほうがいい。失うものはないですよ。

もし、起業したかったら自分でやることです。他の人にやらせないで。

最初から、あれもこれもと詰め込んで大きなプロダクトを開発しようとすると、かなり大変になるから、自分の核となるアイディアは何かを見つけて集中し、周りの人と一緒にそのアイディアを検証することです。

まあでも、何よりやりたかったらやってみること。やることから多くのことを学べます。

やったことがない、知らないことを始めるのはすごく大変だろうけど、やりたかったら自分でやったほうがいいと思います。

株式会社Qurateについて

■会社概要

会社名

株式会社Qurate 

所在地

福岡本社:福岡県福岡市中央区大名1-2-23 remix大名3F

代表取締役

トム・ブルック

沿革

2014年 福岡市中央区にて設立

2016年 福岡市トライアル優良商品認定事業でスタートアップとして初めて採択される

西鉄オープンイノベーションコンテスト2位

2018年 TOPPAN オープンイノベーションコンテストco-necto 最優秀賞受賞

2019年 凸版印刷株式会社と共同販売パートナーシップを締結し、 SNSコンテンツ管理ツール「Social Focus」をリリース

2020年 コンテンツ管理システム「Qurate Web」を株式会社西日本シティ銀行が採用

■事業概要

株式会社Qurateは、Social Focus(ソーシャル・フォーカス)、Qurate Web (キュレイト・ウェブ)をはじめ次世代のマーケティングを支えるプラットフォームを提供する会社です。福岡市に本社を置き、多くの企業が抱えるデジタルコンテンツ管理の課題解決をはじめ、次世代のマーケティングプラットフォームの開発に取り組んでいます。

Social Focus(ソーシャル・フォーカス)

2019年7月、凸版印刷株式会社と共同パートナーシップ契約を締結し販売を開始。

企業のSNS運用を効率化し、一元管理するためのツールです。

Qurate Web (キュレイト・ウェブ)

ブログサイトをはじめ、オウンドメディアからアプリコンテンツなど多種多様なコンテンツを一元管理できるプラットフォームです。

株式会社Qurate公式HP : https://qurate.com

株式会社 Qurate お問い合わせフォーム / https://www.qurate.com/jp/contact

TEL:092-981-6379

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