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夫婦で住宅ローンを組むメリットとは?条件や注意点について徹底解説!

住宅ローンを組む際、夫婦共有名義で契約できることをご存知ですか?

本記事では、夫婦で住宅ローンを組むメリット・デメリットやその条件、注意点について解説していきます。

住宅を購入する方法

住宅を購入するには、自己資金で購入する方法と住宅ローン契約をする方法があります。住宅を購入する時期やその時点での自己資金などから、購入する人にとって利便性の高い方を選ぶとよいでしょう。

自己資金購入

住宅を購入する場合に自己資金で購入する方法がありますが、できる人は一般的に多くありません。自己資金の範囲内で中古物件を探し購入する場合は有効ですが、ある程度まとまった額が必要です。自己資金購入のメリットとしては、金利が発生しないので大幅な節約になるという点です。

また、ローン返済を気にしなくてもよいため、家計管理がすっきりします。一方デメリットとしては、住宅ローン控除が受けられない点や家計の中から資金が一時的に大きく減ることが挙げられます。

住宅ローン契約

自分が住むための家を購入する際に必要な費用を銀行に融資してもらうサービスのことで、30年前後の長期に渡る契約がほとんどです。自己資金購入と違い一気に大きなお金が減らないので、家計管理に与える影響が少なくて済みます。住宅購入前まで賃貸で暮らしていた場合は、住宅ローンの返済金額を従前の家賃相当分に設定するのがおすすめです。購入前後で大きな生活レベルの変化もなく、月々返済可能な金額の目安となります。

デメリットとしては返済が長期に渡るため、万が一収入の減少があった場合に再度返済計画を練り直す必要があります。

住宅ローンの仕組みとは

住宅ローンとは、購入する住宅を担保に金融機関から融資を受けて、長期的な返済計画のもと分割して返済していく商品です。具体的なしくみとして、返済期間中に返済できない状態になれば、金融機関が購入した住宅を売却することで残りの返済金額に充てられます。通常、住宅ローンは一部を除き団体信用生命保険への加入が必須です。住宅ローン契約者が死亡または高度障害状態になった場合は、団体信用生命保険の保険金でローンの残額を相殺します。このように、住宅ローンは「万が一返済できなくなったときの残額の清算方法」まで考えたうえで設定されています。

住宅ローンの組み方

ここからは、住宅ローンの組み方について紹介します。大きく分けて、夫名義の契約と夫婦共有名義の契約に分けられます。

夫名義の契約

夫名義(あるいは妻名義)の契約は、契約者がひとりのみです。また、ローン契約にあたって、融資や団体信用生命保険の審査対象となるのは契約者のみとなります。そのため、所得の証明や健康状態の告知も、一般的な団体信用生命保険であれば契約者のみで済みます。(疾病特約付き団体信用生命保険では、配偶者の健康告知が必要な場合もあります。)購入した住宅の名義人は住宅ローン契約者になり、住宅ローン控除の対象となるのも契約者です。

夫婦共有名義の契約

ひとつの物件に対して、夫婦それぞれがローンを組むイメージです。そのため、夫婦それぞれの所得証明提出や団体信用生命保険の加入審査があります。ペアローンとも呼ばれており、夫婦2人が一緒に住む住宅の購入が対象です。それぞれ別の住宅ローン契約であるため、借入限度額が増えるほか、住宅ローン控除が各自で適用になるなどのメリットがあります。

ペアローンが向いている条件

夫婦共有名義で住宅ローンを組むのが向いている条件には、夫婦ともに収入が安定していることが挙げられます。特に妻の場合は産休や育休制度のある会社に勤務していて、休暇期間中も収入がゼロにならない前提条件があると安心です。夫婦ともに団体信用生命保険への加入が必要になるため、2人とも健康状態が良好であることが望ましいでしょう。

夫婦のうちどちらかが一般団信に加入できない場合は、引受緩和型のワイド団信などの加入を検討しましょう。団体信用生命保険への加入が義務ではない、フラット35で住宅ローン契約をするといった対策も可能です。住宅ローン契約に関する相談事は、金融機関の担当者に尋ねるようにしましょう。

連帯債務型・連帯保証型もある

夫婦共有名義の住宅ローン契約には、ペアローンのほかに「連帯債務型」と「連帯保証型」もあります。連帯債務型とは、夫婦2人が債務者となるため条件を満たせば夫婦共に住宅ローン控除が適用されます。配偶者の団体信用生命保険は、住宅ローンを申し込む金融機関が、夫婦連生生命保険を取り扱っていれば加入できることもあります。

一方連帯保証型は、配偶者は連帯保証人であり債務者ではないため、団体信用生命保険への加入はできません。連帯保証型で夫婦のうち債務者になった人が万が一返済ができできない場合は、その配偶者に返済義務が生じますが、住宅ローン控除の対象にはなりません。


夫婦2人で住宅ローンを組むメリット・デメリット

夫婦2人で住宅ローンを組むメリットやデメリットについて解説します。

メリット

夫婦2人で住宅ローンを組むメリットは、主に以下のようなものがあります。

購入できる金額が増える

単独で契約する住宅ローンよりも夫婦2人で契約する方が借入可能額が増えるため、購入できる金額の幅が広がります。単独ローンでは希望の購入金額の融資を受けられない場合は、ペアローンにすることで購入できる可能性が上がります。

夫婦それぞれの収入が、500万円の場合を例に挙げてみましょう。単独ローンの場合は、契約者1人の収入である500万円を基準として住宅ローンの融資に関する審査がされます。一方、夫婦2人で住宅ローンを組む場合は合計1,000万円を基準に融資枠の審査があるため、単独ローンより大きい金額の融資が可能です。

住宅ローン控除が夫婦ともに受けられる

夫婦2人で契約する場合、それぞれ別の住宅ローンを組むことになります。したがって、住宅ローン控除も夫婦それぞれで適用されるのです。住宅ローン控除は、どの控除よりも長期に渡って税制優遇があります。なお、2022年度(令和4年度)の住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高の0.7%相当分を最長13年に渡って控除されます。住宅ローン控除の適用があることで、所得税や住民税の負担軽減になるでしょう。

デメリット

夫婦2人で住宅ローンを組むデメリットには、以下のようなものがあります。

返済が難しくなることも

夫婦のうちどちらかが借り入れ当初の年収から大幅にダウンした場合、返済計画に負担が生じ返済が難しくなる可能性があります。住宅ローン契約時に行った借入可能額の審査は、その時点での年収や勤続年数、勤務先などから総合的に判断します。

しかし、急病やリストラといった避けられない事態が発生した場合、当初の返済計画通りに進まなくなるでしょう。そうなると、夫婦どちらかのみ返済していても、片方の住宅ローンは滞納状態になってしまいます。この場合は夫婦共有の住宅ローンを単独ローンに契約し直すなど、なんらかの対策が必要です。 しかし、契約し直す年齢や健康状態によっては、希望する単独ローンに通らない場合もありますので注意しましょう。

離婚や相続で揉める場合がある

夫婦2人で住宅ローンを契約して住宅を購入した場合、住宅の名義も夫婦共有になります。特に指定がなければ、2人で50%ずつの共有持ち分です。ペアローンを組んでひとつの住宅を2人で共有すると、離婚や相続が発生した場合は少々複雑になるリスクがあります。特に離婚の場合の取り扱いは、しっかりとした協議が必要です。物理的に、住宅を半分にはできません。片方の持ち分をもう一方に贈与するか、共有名義のまま売却してその売却価格を半分に分けて金銭的に解決するという方法が一般的です。

なお、贈与に関しては贈与税がかかる場合もあります。住宅の売却を希望した場合でも、すぐに売れるとは限りません。時間がかかってやっと売れた場合でも、希望する価格では売却できないというリスクもあります。離婚時や相続時の対処法は、一番気を付けたいデメリットといえます。

夫婦共有住宅ローンの注意点

夫婦共有住宅ローンの注意点について、大きく2つに分けて紹介します。

運用や売却の手続きが煩雑

購入した住宅は共有の財産になるため、全ての手続きに関して夫婦の同意と手続きが必要です。どちらかが同意していない場合は、運用や売却などが一切できません。住宅の運用とは、賃貸物件として他人に貸し出すことなどがあります。ひとつの住宅に対して2人の名義人がいる状態のため、どちらか片方だけの意思で住宅に関するさまざまな手続きは進められません。この点も理解したうえで、夫婦共有での住宅ローン契約を進めましょう。

ライフプランを確認して余裕のある返済計画を

予測できるライフプランに関しては、あらかじめ想定しておくことをおすすめします。結婚してすぐに住宅ローン契約をして住宅を購入する場合などは、今後の家族計画も踏まえたうえで無理のない返済計画を立てるとよいでしょう。産休・育休の期間は収入が減少しますがその間も無理なく支払える金額で返済計画を立てておくと、払えないという事態は免れます。あらかじめ収入の減少に備えて、一時的にローン返済に充てる預貯金を用意しておくなども有効です。

まとめ

夫婦2人で住宅ローンを組むと融資を受けられる金額が増えるため、購入を希望する住宅価格が幅広くなります。また、それぞれが団体信用生命保険に加入するので、万が一のときも安心です。注意したいのは、購入した住宅が夫婦共有名義になることです。離婚や相続が発生した場合に、揉めることがあります。しっかり相談し、無理のない返済計画を立てたうえで検討しましょう。


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