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ご存知ですか?ふるさと納税で損をしないために知っておくべき3つの注意点

ふるさと納税制度は、地域の返礼品がもらえて節税効果も期待できることから近年注目されています。一方で、制度を利用する際に知っておかなければ損をするポイントがあります。本記事では、ふるさと納税で損をしないために知っておくべきポイントを3つに絞って紹介します。

本記事の作成にあたっては、「総務省・ふるさと納税ポータルサイト」を参照しています。

ふるさと納税の仕組み

そもそもふるさと納税とは、どういう仕組みなのでしょうか。まずは、ふるさと納税の概要について説明します。

ふるさと納税は寄付金控除の一種

ふるさと納税は「納税」という名称がついていますが、実際に納税しているわけではありません。寄付金(寄附金)控除の制度を使って、所得税や住民税の控除を受けることで節税効果が期待できるという仕組みです。これらの控除を受けるためには、ふるさと納税後の確定申告が必要です。

所得税・住民税が控除される

ふるさと納税は所得税と住民税が控除されることから、節税効果が期待できます。正式には、所得税は寄付した年の分から還付され、住民税は翌年分の住民税から控除(減額)されます。

控除が受けられる時期

控除が受けられる対象となる期間は、1月1日から12月31日までです。この期間を1年とし、控除上限額シミュレーションで算出された金額内でふるさと納税(寄付)をすることでメリットを最大限活かせます。

自分で確定申告が必要

ふるさと納税で税制面の優遇を受けるためには、基本的に確定申告が必要です。ふるさと納税の申し込みをして、寄付金の決済を終えるだけでは何にもなりません。確定申告にて控除の申告をすることで、手続き完了となります。また、会社員などの給与所得者は「ワンストップ特例制度」が利用でき、一定の要件を満たすことで確定申告が不要になるのです。

会社員はワンストップ特例制度が使える

会社員がふるさと納税をした場合に、確定申告に代えて利用できるワンストップ特例制度の適用条件は以下のとおりです。また、毎年行う年末調整の際は、ふるさと納税(寄付金控除)に関する書類などの提出が一切不要です。

  • 確定申告が不要な給与所得者であること

  • 1年間の寄付先が5自治体以内であること

  • ふるさと納税における寄付金控除以外に確定申告が必要な控除がないこと

ワンストップ特例の注意点

ワンストップ特例は、確定申告の必要がない会社員などの給与所得者が対象です。給与所得者は毎年勤務先で年末調整を行いますが、確定申告が必要な場合があります。主なものでは「医療費控除の適用がある場合」「住宅ローン控除の初年度のみ」などです。これらの事象が発生し、給与所得者でも年末調整とは別に確定申告をする必要がある場合にはワンストップ特例は使えません。ほかの理由で確定申告をする場合や寄付金控除に関しても同時に申告することになります。

ふるさと納税の手続き方法

ここからは、ふるさと納税の手続き方法について解説します。

控除上限額シミュレーションをする

ふるさと納税をする場合、まず必要なことは「控除上限額シミュレーション」です。各ふるさと納税のサイトでは、控除上限額シミュレーションが利用できます。シミュレーションには、年収や家族構成、寄付金控除以外の控除の有無などを入力してください。算出された範囲内でふるさと納税をすると、実質自己負担額が2,000円のみで返礼品をもらえ節税効果も期待できます。

好きな自治体を選んで寄付

控除上限額の目安が分かれば、次は好きな自治体を選んで寄付します。遠く離れた故郷や学生時代を過ごした地域など、好きな自治体を選んでもよいでしょう。また、返礼品で選ぶのも選択肢の一つです。トイレットペーパーや子ども用おむつなど必要な消耗品を返礼品に選ぶことで、家計の中で捻出する日用品費の節約にもつながります。このように、寄付先の自治体を選ぶ楽しみがあります。

寄付金の決済方法も確認しよう

ふるさと納税サイトによって、寄付金の決済方法が違います。ほとんどのサイトで使えるのは、現金振り込みとクレジットカード決済です。このほかにも、携帯料金と合算して寄付金を決済するキャリア決済や各種スマートフォン決済が利用できるサイトもあります。自分が希望する決済方法があるかどうかも、ふるさと納税サイトを選ぶ基準になります。

返礼品や寄付金受領証明書が届く

ふるさと納税の申し込みと寄付金の決済を済ませたら、寄付先の自治体から郵送で寄付金受領証明書が届きます。それと前後して、選んだ返礼品も届きます。寄付金受領証明書は、確定申告の際に必ず必要です。ふるさと納税をしてから翌年の確定申告期間まで時間が空きますが、紛失しないように大事に保管しましょう。

会社員などの給与所得者で「ワンストップ特例制度」の利用を申請した場合には、寄付先の自治体から申請書が届きます。申請書に必要事項を記入し、マイナンバーカードなどの写しを添えて自治体へ返信しましょう。

必要な申請をする

最後は、寄付金控除の申告です。個人事業主では確定申告で行い、会社員で一定の要件を満たした場合にはワンストップ特例制度を使って申告できます。

ふるさと納税のメリット・デメリット

ここからは、ふるさと納税のメリットとデメリットについて解説します。

メリット

節税効果が期待できる

ふるさと納税による最大のメリットは、節税効果が期待できることです。節税効果の度合いは、同じ年収の人であっても家族構成やそのほかの控除などの適用状況からさまざまになります。返礼品がもらえることを考えると、家計に対して一定の効果が見込まれるのは確かです。節税効果としては、翌年支払うべき住民税の軽減や所得税の還付があります。いずれも、確定申告またはワンストップ特例により申請することで受けられるメリットです。

返礼品の楽しみがある

ふるさと納税のメリットは、返礼品をもらえるという楽しみがある点です。ふるさと納税の返礼品はバリエーション豊かで、家電製品から日用品などがあります。特に、季節のフルーツや新米などが人気です。収穫される時期よりも前に寄付のみを行い、収穫シーズンになったころに新鮮な返礼品を送ってもらえる嬉しいサービスもあります。また、返礼品は自宅以外に直送してもらえる場合もあるため、お中元やお歳暮として返礼品を利用することも可能です。近年、返礼品のないふるさと納税も増えてきました。豪雨災害などに見舞われた地域に対して、返礼品なしの寄付を選ぶとふるさと納税の節税効果のみを受け取れます。

デメリット

減税効果があるのは翌年

ふるさと納税による減税効果があるのは、その年でなく寄付をした翌年です。寄付をした年の確定申告などで控除を申告すると翌年支払う住民税が軽減されます。所得税の還付がある場合は、寄付翌年の確定申告後です。ふるさと納税をした当年中に受けられる税制面の優遇はなく、来年の負担軽減のために寄付金を先払いするとイメージしてください。

他の控除がある場合は効果が薄まることも

ふるさと納税は寄付金控除の仕組みを利用した制度ですが、控除の種類はほかにもあります。生命保険料控除や医療費控除、住宅ローン控除などです。ふるさと納税をした期間内に、寄付金控除以外の控除が適用される場合は注意が必要です。ほかの控除との併用によって、ふるさと納税の節税効果が薄まることがあります。特に、住宅ローン控除との併用は気をつけたいポイントです。控除の併用によってなるべく効果が薄まらないようにするには、より詳細な情報を入力して控除上限額シミュレーションを行い、その範囲内でふるさと納税をしましょう。

損をしないための3つの注意点

ここまでに解説したふるさと納税の概要をふまえて、利用するときに損をしないための3つの方法について紹介します。

自己負担2,000円は必ずかかる

ふるさと納税をする際、まず初めに控除上限額シミュレーションを行い自分の寄付金額の目安を算出します。この目安金額を上手に利用すれば、寄付した金額の実質全額控除も可能です。しかし、寄付金額の多寡にかかわらず、自己負担額として2,000円は必ずかかります。寄付金額の全額控除は実質できず、自己負担額2,000円を除外した金額が控除されます。一方自己負担額2,000円に対しては、控除や優遇措置なとが一切ありません。ふるさと納税をする際には、誰でも2,000円だけは必ず発生します。この部分も計算に入れて、試算しましょう。

期間に余裕を持つ

ふるさと納税は、当年中の適用となる対象期間が決まっています。この対象期間内に寄付の申し込みと寄付金の決済まで済ませないと、適用されずに損をすることがあります。対象期間は1月1日から12月31日までですが、寄付金の決済を現金振り込みにした場合は特に注意が必要です。銀行窓口は年末年始に休暇を取る場合がほとんどで、年末の駆け込みでふるさと納税を申し込んだ場合は、当年中の決済に間に合わない場合があります。ふるさと納税をするなら必ず期間に余裕をもち、万が一のトラブルにも対応できる日程で落ち着いて行いましょう。

上限額を超えない範囲で利用する

控除上限額シミュレーションで算出される数字は、あくまで目安です。ほとんどのふるさと納税のサイトでのシミュレーションは、簡易版と詳細版の2種類が準備されています。簡易版は年収などの簡単な項目のみを入力することで算出されるのに対し、詳細版では源泉徴収票を基に、より詳細な数字まで割り出せます。しかしいずれも目安であるため、算出された数字ギリギリで寄付をすると、実は本来の上限額を超えていたということもあり得ます。万が一上限額を超えた場合でもペナルティはありませんが、超えた部分はふるさと納税の対象にはなりません。このことから、控除上限額の枠いっぱいに寄付をすると損をする場合があります。シミュレーションで算出された金額はあくまで目安として利用し、実際にはそれよりも少し少ない金額で寄付をすることをおすすめします。

まとめ

ふるさと納税は、本来の制度趣旨を理解して正しく利用すればデメリットも恐れることはありません。しかし、あまり分からずに進めてしまうと、結果的に損をしてしまうこともあります。メリットとデメリットの両側面を知ることで、あらかじめ損しないように対策できます。ぜひ本記事を参考にしてみてください。


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