相談者:Aさん(福岡県在住)
夫41歳(会社員)、妻42歳(主婦)、長女4歳
Q. 新築戸建てを購入希望。支払いは厳しい?
現在、賃貸マンション暮らしで、車はありません。夫の年齢も考え、子どもが小学校に上がる前に住宅購入を検討しています。
希望は、新築戸建て3000万円。夫の実家から500万円の生前贈与の予定があり、それを諸費用+頭金にして、残りの2600万円を35年ローンの固定金利で月7万円(ボーナス月はプラス5万円)払うつもりですが、厳しいでしょうか。厳しい場合、諸費用を除いての妥当な借り入れ価格はいくらくらいでしょうか。
また、教育資金の積立貯蓄として、夫が生命保険(終身)2本に入っています。早期解約は考えていませんが、保険以外で教育資金を貯めておらず、普通預金のようにすぐに現金化できる形でないことから不安。このまま続けて問題ないでしょうか? ちなみに小・中学校は公立、高校は公立か私立、大学は私立で考えています。
夫婦2人分の老後資金の貯蓄も始めたいと思っています。家計簿で特に見直すべき部分もあれば、教えてください。私が扶養内で働くことも考えています。
夫婦で現状をしっかり見つめ直すために厳しめのお言葉をいただきたく、相談させていただきました。
A. 無理なローンではないけど、毎月の赤字は続きそう
ボーナス頼みでよいか考え、共働きも検討を。普通預金の一部は定期へ
頭金400万円と諸費用分100万円を親御さんに出してもらい、2600万円の住宅ローンを組んで、3000万円の家を手に入れようというわけですね。
諸費用予算が少なめですが、仲介手数料のかからない売主物件に絞っているとのこと。よく勉強なさっています。ただ、門扉など外構や家具家電へのお金のかけ方によっては、予算オーバーしがちなので気をつけましょう。
住宅ローンは手堅く35年固定金利型で、毎月の返済額を家賃並みに抑えるプランのようです。手取り年収に占める返済比率は30%以下ですので、決して無理なローンではありません。
ただ、このままのやりくりだと、毎月の収支は赤字が続きます。家計は引き締まっていて節約の余地が少ないので、ボーナスで赤字を解消する形でよいか、よく考えてください。
3つめの質問の老後資金づくりにも通じますが、共働きをすれば、経済的なゆとりが得られるのは確かです。検討課題といえます。
2つめの質問は、学資保険代わりの終身保険についてですね。低解約返戻金型なので、保険料払い込み(15年と17年)が完了するまでは解約しないつもりで契約したはず。すぐに現金化する必要性はなさそうですし、悩まなくてよいのでは? それよりも保険以外が普通預金のみの運用である点を見直し、定期預金への預け替えをすべきです。
なお、住宅取得等資金贈与の特例(非課税)が来年も継続されるかは未定ですが、贈与を受けたら所轄の税務所に申告することを忘れないようにしましょう。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年9月25日号掲載
- 暮らし
高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。