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起業したばかりでもクレジットカードは作れる?押さえておきたいポイントを確認しよう│おすすめの法人カード紹介も

By 森本由紀

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2021.06.30

起業して間もない会社経営者や個人事業主の人も、クレジットカードを作りたいと考えるのではないでしょうか?今回は、起業したばかりでも事業用のクレジットカードを作れるのかについて説明します。スムーズにカードを発行してもらえるよう、準備しておきましょう。

事業用クレジットカードって?

事業用クレジットカードって?

事業に使う経費等の支払いに使えるクレジットカードです。まずは、事業用クレジットカードの基礎知識について説明します。

経営者なら個人事業主でも発行してもらえる

事業用クレジットカードは、法人カードと呼ばれることもあります。株式会社などの法人のみではなく、個人事業主に発行してもらえる法人カードが多数です。

代表者の信用が重視される

法人カードの中には、会社の業績をもとに審査が行われることもありますが、代表者個人の与信を重視している場合が殆どです。起業直後にカードを申し込む場合は事業の実績がないため、経営者本人の信用を基準に審査します。

事業用クレジットカードの種類

事業用クレジットカードは、2つのタイプに分かれることを知っておきましょう。

コーポレートカード

大企業向けのカードで、利用者が20名以上の場合に発行してもらえるのが通常です。

ビジネスカード

個人事業主やフリーランスなども含む、小規模事業者や中小法人向けのカードです。従業員のための追加カードも発行してもらえますが、利用者は20名未満になります。

起業してすぐでも申込み可能

設立したばかりの法人やフリーランスになったばかりの個人でも、事業用クレジットカードの発行は可能です。起業して間もない時期は融資を受けにくく、資金調達が難しいことも多いでしょう。事業用クレジットカードなら比較的簡単に作れるので、仕入れなどに活用できます。

個人向けカードとの違い

事業用と一般的な個人向けクレジットカードの違いは、主に次のような点です。

利用限度額が高め

クレジットカードを申し込んだら、必ず利用限度額が設定されます。事業用クレジットカードの利用限度額は個人向けカードよりも高めです。商品の仕入れなど金額が大きい取引に対応できるようになっています。

キャッシング枠がないことがある

個人向けカードの場合、ショッピング枠とキャッシング枠の両方が設定されます。一方、事業用クレジットカードでは、キャッシング枠が設定できないものも少なくありません。

1回払いが基本

個人向けカードでは、1回払いのほかに分割払い、ボーナス払い、リボ払いなどの支払い方法を選べます。事業用クレジットカードでは、支払い方法は1回払いのみが一般的です。

引き落とし口座を事業用口座にできる

個人向けカードでは、個人名義の口座からしか引き落とせません。事業用クレジットカードでは、法人名義や屋号入りの口座から引き落としが可能です。

年会費無料のカードは少ない

個人向けカードには、年会費が発生しないものも多数あります。一方、事業用カードは年会費無料のものはそれほど多くはなく、有料が一般的です。

事業用クレジットカードを作るメリットとは

事業用クレジットカードを作るメリットとは

会社経営者や個人事業主といったビジネスオーナーは、事業用クレジットカードを1枚持っておくのがおすすめです。以下、事業用クレジットカードを作るメリットについて説明します。

キャッシュレス決済に対応できる

近年はインターネット経由の取引が多くなり、クレジットカードがないと決済できない場面が増えました。事業用クレジットカードを持つことで、キャッシュレスでの取引に即対応できます。

個人と事業の支払いを分けられる

個人事業主の場合は、経費の支払いも個人カードで行っていることも多いでしょう。個人カードで経費を払った場合、経理処理が複雑になってしまいます。事業用クレジットカードがあれば、個人と事業の支払いを明確に分けられる点がメリットです。複雑な仕訳をする必要もなく、経理処理が楽になります。

従業員が経費を払うときに便利

事業用クレジットカードは、それぞれの従業員に持たせられます。従業員が経費を支払う際にも会社や事業用の口座から直接引き落とせるので、立て替える必要がありません。

商品の仕入れに使える

事業用クレジットカードがあれば、カードを使って商品の仕入れもできます。個人向けカードで仕入れを行うと規約違反となってしまう場合があるので、事業用カードを使った方がよいでしょう。利用限度額が大きい事業用カードがあれば、まとまった仕入れにも対応できます。

支払い時の振込手数料を抑えられる

仕入れや備品購入の際、銀行振込で支払いをすると振込手数料がかかってしまいます。事業用クレジットカードで支払いができれば振込手数料がかからないため、コスト削減に有効です。

どれくらいコスト削減できる?

月1回必ず振込手数料220円が発生していた支払いをカード払いに変更した場合、年間で2640円のコストが減らせます。振込回数が多い場合には、大きなコスト削減ができるでしょう。

ビジネスに役立つ特典や付帯サービスがある

事業用クレジットカードでは、会員向けにさまざまなビジネス特典が設けられています。カードを持っているだけで得になることも多いのです。

付帯サービスや特典の例

空港ラウンジ無料特典や国内・海外旅行傷害保険、手荷物宅配サービスなどは出張の際に役立つでしょう。その他に、レンタル会議室や会計ソフトの優待が受けられることもあります。

クラウド会計ソフトとの連携が可能

クラウド会計ソフトの中には、クレジットカードの支払い情報を取り込み自動で仕訳入力できるものがあります。クラウド会計ソフトと支払いを連携させれば、帳簿入力の手間を省けます。

キャッシュフロー改善に有効

キャッシュフローとは、現金の流れのことです。事業を継続させるためには、手元に現金がなければなりません。売上があっても手元に現金がなければ、倒産してしまうこともあります。事業用クレジットカードを使えば支払いを先送りにできるので、資金繰りがよくなります。

ポイントを貯められる

クレジットカード払いにすれば、ポイントが貯まります。貯まったポイントは備品の購入や福利厚生など、さまざまな目的に活用できます。

事業用クレジットカードの選び方

事業用クレジットカードの選び方

事業用クレジットカードにもたくさんの種類があります。起業して間もない会社や個人事業主がクレジットカードを作る際の、選び方のポイントを知っておきましょう。

申込み資格は満たしている?

カードを申し込む前に、申込み資格を確認しておく必要があります。法人のみを対象としていて、個人事業主には発行してもらえないカードもあるので注意しておきましょう。起業してすぐに申し込む場合には、起業後すぐでも発行可能である旨をホームページに明記してあるカードが安心です。

未成年者は事業用クレジットカードを作れる?

未成年者でも個人事業主や会社経営を行っている人もいます。しかし、未成年者の場合は事業用カードを作ることが基本的にできません。事業用カードの申込み資格は、20歳以上の法人代表者や個人事業主に限定されているのが通常です。

年会費が高すぎない?

事業用クレジットカードの年会費は1~3万円程度です。個人向けカードと比べると年会費は高めなので、年会費に見合ったサービスが受けられるかをチェックしましょう。

年会費無料のカードはある?

事業用クレジットカードにも年会費無料のものがあります。ただし、年会費無料のカードは利用限度額が低く、付帯サービスも少なめです。多少の年会費を払っても充実したサービスが受けられるものなら、持っておいて損はないでしょう。

初年度年会費無料はおすすめ

年会費は原則的に有料で、初年度のみ年会費無料としているカードもあります。初年度の年会費が無料であれば、使い心地を確認してから継続するかを決められるので便利です。

条件付き年会費無料もある

一定金額の利用があれば、初年度だけでなく翌年度以降も年会費が無料になるカードもあります。確実にカードを利用するのであれば、コストを抑えられるので安心です。

追加カードは発行してもらえる?

従業員がいる場合や将来的に雇用する見込みがある場合には、従業員用の追加カードを発行してもらえるかどうかも確認しましょう。従業員の数が多い場合には、発行枚数の上限もチェックしておく必要があります。事業で車を使う場合は、ETCカードも発行してもらえるものがおすすめです。

追加カードも年会費がかかる

追加カードを発行してもらうと、その分の年会費もかかります。追加カードの年会費が高すぎないかも確認しましょう。

カード発行までの日数は?

せっかくカードの審査に通過しても届くまでに日数がかかってしまうと、必要な支払いに間に合わないことがあります。急いでいる場合は、すぐに発行してもらえるカードがよいでしょう。

締め日や支払日も確認

事業用クレジットカードを選ぶときは、締め日や支払い日もチェックしておきましょう。同じ日にカードを使っても、カードによって支払い日が変わります。

支払日までの長さは?

カードによって、支払いまでの最長日数が49日~58日と幅があります。支払いまでの猶予期間が長いほど、資金繰りは安定します。

キャンペーンにも注目

クレジットカードの申込み時には、キャンペーンが適用されることが多くなっています。期間限定のキャンペーンもありますので、見逃さないようにしましょう。

どんなキャンペーンがある?

事業用カードの入会キャンペーンでは、ポイントやギフトカードがもらえることがあります。もらった特典は、福利厚生に活用するとよいでしょう。

ウェブから申込みできると便利

起業してすぐの多忙な時期に、カードの申込みのために店舗などに出向くとなると面倒です。ウェブから申込みをし、必要書類の提出もインターネット経由でできるカードなら手間がかかりません。

起業したばかりの会社(個人事業主)が審査に通るためには何をしたらいい?

起業したばかりの会社(個人事業主)が審査に通るためには何をしたらいい?

クレジットカードは、信用がなければ発行してもらえません。起業直後にクレジットカードを申し込む場合、審査が心配でしょう。スムーズに審査に通過するために、用意するものや注意しておいた方がよいことを説明します。

法人口座や屋号入り口座を開設

法人カードを申し込む場合の引き落としは、法人口座からになります。口座開設には時間がかかることがあるため、早めに金融機関に行って手続きしておきましょう。個人事業主の場合は、屋号入りの口座を作っておくとスムーズです。

登記事項証明書や開業届を用意

事業用カードを申し込む際には、登記事項証明書や開業届の写しが必要になることがあります。

法人の場合

会社の登記事項証明書は、法務局に行けば1通600円で取れます。口座開設のときにも必要になりますが、カード申込みの分も余分に取っておきましょう。

個人事業主の場合

税務署に開業届を出すときには必ず控えをもらっておき、必要な場合には提出できるようにしておきましょう。開業届の控えをもらい忘れた場合には、税務署に保有個人情報開示請求書を提出すれば、コピーをもらえます。

代表者個人の信用情報を確認

起業したばかりで実績がない会社や個人事業主が事業用クレジットカードを申し込む場合、経営者個人の信用度を審査します。過去に延滞や債務整理を行っている情報が信用情報機関に登録されていると、審査が通りません。事故情報は5~10年で削除されますが、心配な場合は信用情報を確認しておきましょう。

信用情報機関とは?

金融機関やカード会社が、個人の信用情報を照会できる機関です。カード会社が新規申し込みを受けた際には、必ず信用情報をチェックします。信用情報機関には、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターの3社があります。

信用情報の開示請求とは?

信用情報機関3社に対しては、いずれも1000円程度の手数料を払えば信用情報の開示請求ができます。開示請求はインターネットや郵送でも可能です。

まとめ

起業したばかりの会社経営者や個人事業主も、事業用クレジットカードを作ることは可能です。付帯サービスの充実したカードを入手して、開業当初の仕入れや備品購入に活用しましょう。

西日本シティ銀行のビジネスカード「for Owners」は、営業年数に関係なく申し込みができます。初年度年会費無料なので、起業後最初の1枚として持っておくのがおすすめです。

ビジネスカード「for Owners」の特徴とは

ビジネスカード「for Owners」の特徴とは

「for Owners」は、一般的なビジネスカードと概要はほとんど同じです。しかし、「for Owners」ならではのさまざまな特徴があり、特に設立1年目のスタートアップ企業や個人事業主・フリーランスにおすすめのビジネスカードです。

「for Owners」の特徴や審査などについて見ていきましょう。

「for Owners」の年会費・限度額

「for Owners」では、クラシックカードとゴールドカードの2種類が用意されています。

クラシックカード

クラシックカードの年会費は通常1,375円(税込)ですが、初年度は無料です。パートナー会員用のカードを発行する場合は、1名あたり別途440円(税込)がかかります。

限度額は、原則として10万円から150万円です。カードに付帯している海外旅行傷害保険の最高額は2,000万円で、事前に旅費などを「for Owners」で決済していることが条件です。

ゴールドカード

ゴールドカードの年会費は11,000円(税込)で、パートナー会員のカード発行は1名あたり2,200円(税込)です。限度額は原則50万円から300万円となっています。

クラシックカードとは違い、カード付帯の旅行傷害保険は国内旅行での事故も対象となります。補償額は最高5,000万円です。

「for Owners」の審査について

個人の情報をもとに審査される

一般的なビジネスカードでは、事業の財務状況などが問われます。しかし、「for Owners」は個人与信での審査となります。法人としての実績の有無ではなく、代表者個人の情報をもとに審査が行われるということです。

また、「for Owners」では審査時に営業年数が問われません。そのため設立して1年未満の場合でもビジネスカードを発行できます。

「for Owners」を利用するメリット

申し込みが簡単

「for Owners」は、インターネット上から簡単に申し込むことができます。事業の登記簿や決算書の提出は不要となっているため、申し込み時の提出書類も最低限で済みます。

カード決済口座を個人名義にできる

「for Owners」では、カードの決済口座を個人名義にすることができます。したがって、スタートアップして間もなく、法人名や屋号のついた銀行口座を保有していない場合でもカードの発行が可能です。

事業の経費軽減につながる

法人や個人事業主が事業を進める場合、いかに経費を削減していくかが課題になります。「for Owners」で支払いをすれば、清算の手間を省くことができ、振込手数料もかかりません。

これまで自身で行っていた経費にかかる支払をカード1枚で済ませられるので、経費精算に要する時間短縮にもつながります。

ETCカードの発行・電子マネーの利用が可能

ETCカードの発行・電子マネーの利用が可能

「for Owners」を発行すると、追加カードとしてETCカードを発行できます。さらに電子マネーを利用することも可能です。

「for Owners」で利用できる電子マネーは以下の5つです[2021年(令和3年)1月現在]。

● iD(docomoの決済サービス)

● Apple Pay

● プラスEX

● PiTaPa

● WAON

ポイント還元を受けられる

「for Owners」を利用すると、独自のポイントが還元されます。クラシックカードでの有効期間は2年、ゴールドカードでは3年です。ポイントの還元率は0.5%で、公共料金や通信費の支払いでも還元されます。

還元されたポイントは、他の電子マネーに移行したり、ANAのマイルに交換したりすることができます。

法人カード専用のサービスがある

「for Owners」には、ビジネスにおいて便利に活用できる特典もついています。オフィス用品の通販サイト・アスクルのほか、日産レンタカー、タイムズカーレンタル、アート引越センターなどを特別価格で利用できます。

「for Owners」はどんな人におすすめ?

ここまでの内容をまとめると、「for Owners」は特に以下のような人におすすめです。

● これまでに別の法人カードの審査に落ちた人

● 起業して間もないスタートアップ企業の代表者

● 法人格のない個人事業主やフリーランス

● 経費節約のために毎月の振込手数料を抑えたい人

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  • 法人カード

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