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我が家のエンゲル係数は平均より高い?理由は?年代・地域・年収別の平均食費&理想を解説

みんなの平均食費

家計に占める食費が適切なのかについて知りたい人は多いのではないでしょうか。食費を考える上でキーワードとなるのが、支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」です。今回はエンゲル係数の意味や、エンゲル係数が高い理由、年代・地域・年収別の平均食費などを解説します。

エンゲル係数の意味・計算式は?

エンゲル係数の意味・計算式は?

エンゲル係数の意味

エンゲル係数とは、家計の全ての支出に占める食費の割合のことです。

エンゲル係数を見れば、支出のうち食費にどれくらいのお金を使ったのかを知ることが可能です。

エンゲル係数の計算方法

エンゲル係数は、「食費÷総支出×100(%)」で求められます。

例えば食費が5万円、総支出(食費や通信費、交際費や交通費など全ての支出の合計)が20万円であれば、「5万円÷20万円×100=25%」がエンゲル係数となります。

エンゲル係数から分かること

食費にお金をかけすぎていないか

例えば、同じ支出額の2つの家庭(人数・年齢構成も同じ)があったとしたら、食費を多く費やしている家庭の方がエンゲル係数は高くなります。エンゲル係数が高い場合は「食費にお金をかけすぎている」という判断ができ、家計の見直しにつなげることができます。

社会の豊かさ(社会全体の収入の多さ)

エンゲル係数は個々の家庭事情だけでなく、社会の豊かさを測る物差しにもなります。一般的には「エンゲル係数が高い=生活水準が低い」ことを意味します。

なぜかと言うと、生活水準が低い場合は嗜好品を買う金銭的余裕がなく、支出における食費の割合がどうしても高くなってしまう(=エンゲル係数が高くなる)ためです。

嗜好品に対する支出と比べて節約しにくい食費は、どうしても一定額以上のお金を支出しなければなりません。

このようにエンゲル係数の高低は、「社会の豊かさ=社会全体の収入の多さ」にも関係しているのです。

エンゲル係数が高くなる2つの理由

エンゲル係数が高くなる2つの理由

理由①:外食や中食が多くなる

外食や中食(惣菜や弁当など調理品や配達を頼んで家で食べること)は料理を作る手間・時間を節約できますが、多くの場合で自炊よりも費用がかさんでしまいます。そのため、外食や中食の頻度が増えることで食費の支出が多くなり、エンゲル係数が高くなってしまうのです。

理由②:食品の価格上昇

食品価格が上昇すると、たとえ同じ食品を購入したとしても食費が多くなるため、エンゲル係数は上昇します。

実は日本においては、2012年(平成24年)より食料の消費者物価指数(食料の価格の平均的な変動を測定するもの)は上昇傾向にあります。この食品の価格上昇が要因の一つとなり、日本全体のエンゲル係数の上昇につながっているといえます。

【食費の目安を知ろう】年代・地域・年収別の平均食費は?

【食費の目安を知ろう】年代・地域・年収別の平均食費は?

ここから紹介するデータは、「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)」を参考に記載しています。

【年代別】1ヶ月の平均食費

年代

食費

エンゲル係数

~29歳

4万5,990円

25.9%

30~39歳

6万1,978円

24.1%

40~49歳

7万4,076円

24.2%

50~59歳

6万8,655円

22.7%

60~69歳

6万8,955円

26.6%

70歳~

5万6,176円

27.8%

食費は40~49歳をピークに、山なりに推移していることが分かります。また、エンゲル係数は若い世代と高齢世代が高いことが読み取れます。これは、29歳までの世代や年金受給者など無職の層は収入が少ない傾向にあり、嗜好品ではなく食費に対する割合がどうしても多くなってしまうからだと推測できます。

【地域別】1ヶ月の平均食費

地方

食費

エンゲル係数

北海道

5万5,608円

25.0%

東北

5万9,765円

25.0%

関東

6万8,603円

25.6%

北陸

6万1,578円

24.3%

東海

6万3,966円

25.0%

近畿

6万3,453円

26.7%

中国

5万9,902円

24.7%

四国

5万5,253円

24.6%

九州

5万7,219円

24.7%

沖縄

4万9,532円

28.2%

食費は関東地方が最も高く、次いで東海、近畿地方と続いています。都市部であり、賃金水準が他の地域と比べて高い地域が上位に上がっていると考えられます。

一方、最も食費が低いのが沖縄、次いで四国、九州となっています。

【年収別】1ヶ月の平均食費

年間収入

食費

エンゲル係数

~239万円

3万7,466円

28.3%

239万円~354万円

5万4,545円

28.1%

354万円~502万円

6万2,420円

26.1%

502万円~741万円

7万3,098円

25.3%

741万円~

8万9,878円

22.9%

年収別の1ヶ月の平均食費では、年収が上がるにつれて食費が上昇しますが、反対にエンゲル係数は低くなる結果となっています。エンゲル係数は社会の豊かさを示し、「エンゲル係数が高い=生活水準が低い」ということを先述しましたが、年収というミクロの観点から見ても、その傾向があることが分かります。

理想のエンゲル係数の数値はどれくらいか?

理想のエンゲル係数はどれくらいか?

日本のエンゲル係数の平均は? 

同調査によると、2019年(令和元年)の日本のエンゲル係数の平均は「25.4%」です。総支出が「24万9,704円」、食料に係る支出が「6万3,582円」となっており、約1/4が食費になっています。

日本のエンゲル係数は上昇傾向?

日本全体のエンゲル係数は、2005年(平成17年)の22.7%を底にじわじわと上昇しており、2016年(平成28年)には1980年(昭和55年)代後半のレベルにまで到達しました。これは、共働き夫婦が増加し外食・中食の機会が増えたことや、高齢者世帯の増加、2013年(平成25年)以降は食料品の価格が上昇していることなどが理由として考えられます。

今後も食料品の価格が上昇するとしたら、高齢者世帯・共働き世帯の増加に伴い、エンゲル係数は高止まりすることが予想されます。

理想のエンゲル係数は20%~20%前半

「理想のエンゲル係数は何%」といった明確な数字はありませんが、20%~20%前半とされることが一般的です。1ヶ月の全支出が15万円の場合は、3万円~3万7,500円程度が目安です。

ただし、エンゲル係数は、独身世帯か既婚世帯か、子どもがいるか、子どもがいるとしたら何歳で何人いるかなど、家族構成によって幅があることを覚えておきましょう。

エンゲル係数を下げる方法

エンゲル係数を下げる方法

エンゲル係数を下げるためには食費を抑えるしかありません。ここでは食費の抑える6つの方法を紹介します。

品目ごとに安い店舗で買い物をする

店舗ごとに安い品目と高い品目は異なります。そのため、多少面倒かもしれませんが、各品目ごとに安い店舗で買い物をすることで、食費を抑えることが可能です。例えば、野菜は八百屋で、牛乳・卵はAスーパー、調味料類は業務用スーパー、肉・魚はBスーパーで購入するといったイメージです。

節約できる額は少額かもしれませんが、塵も積もれば山となるため、コツコツと頑張ってみてはいかがでしょうか。

訳あり食品を活用する

安い訳あり商品があれば、積極的に購入してみるのがおすすめです。訳あり商品は店舗で見つけるほか、Amazon(アマゾン)や楽天などで探すこともできます。訳あり食品のジャンルはさまざまで、形不揃いの肉や野菜、メーカーの過剰在庫の飲料水、少し傷のついたフルーツなどが挙げられます。

ただし、訳あり食品は箱売りが多く、送料が高い場合があります。そのため、送料込みでもお得な食品を選んで購入するようにしましょう。

買い物前に空腹を満たしておく

お腹が空いている状態で買い物に出かけたとき、空腹感からついつい想定外の食品を購入してしまった、という経験はありませんか?そのような経験がある人におすすめの方法が、「空腹を満たしてから買い物に出かけてみる」というものです。

買い物に行く前にお腹を満たしておくことで、無駄な食品を買わなくなり、結果として食費を抑えることができるでしょう。

プライベートブランド商品を購入する

プライベートブランドとは、小売店や卸売業者のオリジナルブランドのことで、例えば、セブンイレブンの「セブンプレミアム」やイオングループの「トップバリュ」、ドン・キホーテの「情熱価格」などがあります。

プライベートブランド商品は、人件費や配送費などのコストが削減されている分、安いのが特徴です。また、メーカー品と比べても質はあまり変わらないといえます。そのため、もし欲しい食品にプライベートブランドがあったら、購入してみてはいかがでしょうか。

スーパーで買い物をする女性

1ヶ月間に買った食品をチェックする

チェックの分類方法

1ヶ月間に「何の食品を買ったのか」をチェックすることで、次回以降の買い物に活かすことができます。たとえば、1ヶ月間に何を買ったのかを以下の(1)〜(3)に分類してみるのがおすすめです。

⦁(1)必要なもの(安く買えたもの)

⦁(2)必要なもの(他店であればさらに安く買えたもの)

⦁(3)必要なかったもの

可視化することで節約につなげる

「(2)必要なもの(他店であればさらに安く買えたもの)」に関しては、次月以降はより安いお店で買うようにしましょう。さらに「(3)必要なかったもの」を可視化することで、次月以降は買わないように意識することができます。

この取り組みを続けることにより、月を追うごとに食費を抑えることができるようになるでしょう。なお、1ヶ月間に買った食品はレシートで管理するほか、家計簿アプリを使うのも便利です。

買い物リストを作成する

事前にリストを作成してから買い物に行くことで、無駄な買い物をしないで済むでしょう。買い物リストは紙に書いたり、買い物アプリを使用したりするのがおすすめです。

買い物アプリの中には、お店別・食品別・売り場別などに分けて管理ができるものもあります。買い物を終えた食品については消去していけばいいので、管理も簡単です。なお、金額を入力できるアプリもあるため、先述した「1ヶ月間に買った食品をチェックする」際にも活用できるでしょう。

まとめ

今回はエンゲル係数が高い理由や、年代・地域・年収別の平均食費などを見てきました。エンゲル係数は、食費を抑えることで低くすることができます。家計のエンゲル係数を見直した上で高いと考えるなら、本記事で紹介した食費を抑える対策を参考に、エンゲル係数を低くする取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

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