インタビュー

【ぼくたちの子育て】家庭円満の秘訣は、妻や娘の話を聞くこと|JR九州・永田さん

【ぼくたちの子育て】家庭円満の秘訣は、妻や娘の話を聞くこと|JR九州・永田さん

週末にご自宅を訪ねると、家族みんなで優しい笑顔で迎えてくれた永田ファミリー。宮崎県出身の永田さんは、大学院を修了してJR九州に入り、技術系の部門で働いて今年で10年目になります。会社員ながら育休を取得して、1歳上のパートナー・菜海(なみ)さんと共に3歳と5か月の女の子を育てている永田さんに、子育て論や家族円満の秘訣を伺いました。

■profile

永田貴嗣(ながたたかし)さん

JR九州

1986年、宮崎県小林市出身。大阪大学で電子と情報通信工学を学び、修士課程を修了。2011年に九州旅客鉄道株式会社(JR九州)に入社し、小倉から福岡、宮崎を経て、現在は福岡に勤務。3歳と5か月の女の子がいる。

初めての立ち合い出産では号泣

―永田さんは結婚して何年目ですか?おふたりの出会いから聞かせてください。

29歳で結婚して、4年数か月が経ちました。妻と出会ったのは、グロービス経営大学院の福岡校に単科生として通っているとき。クラスメイトの一人で、すぐに意気投合して、出会って半年で結婚を決め、その3か月後に結婚しました。

―出会って9か月でスピード婚ですね。もともと結婚したい、子どもが欲しいという思いがあったのですか?

いやあ、いつか結婚するのかな、くらいの気持ちで、あまり考えていなくて。でも、妻とは自然とそういう流れになりました。ヨーロッパに新婚旅行に行き、それから子どもが欲しいねと話していたところ、数か月で授かりました。

―お子さんができたと分かったときは、どんなお気持ちでしたか?

帰宅したら、キッチンで料理していた妻が「妊娠したんだよ!」と報告してくれました。とてもうれしかったけど、正直なところ実感はわかなくて。月に1度の妊婦健診には付き添い、立ち合い出産もしました。

―立ち合い出産をされたのですね。

妻は無痛分娩で出産日が決まっていたので、里帰り先の大分で立ち合いました。生まれたときは感動で涙が出ましたね。義母に「めっちゃ泣いてる」と驚かれたくらい(笑)。

妻のひと言が後押しになり、育休を取得

妻のひと言が後押しになり、育休を取得

―初めての子育てはいかがでしたか?

僕が宮﨑勤務になったばかりで、妻と娘は2か月大分で過ごしてから、宮崎で3人の生活が始まりました。当時は仕事で遅くなることもあったけど、できるだけ早く帰って家事や育児をサポートしたい、あ、いや、サポートではなくて(苦笑)一緒にやろうと心がけていました。子育てって、やっぱり大変ですからね。自分のペースで進められる仕事と違って、子育ては思うようにはいかないと実感しています。あと、僕の実家は宮崎にあるので、両親に子どもを会わせやすかったのはよかったと思います。

―3歳違いで2人目が生まれたときは、育休を取られたとか。まわりに育休を取る男性がいらっしゃったのですか?

知り合いで育休を取った男性はいません。でも、1人目のときは妻がしばらく大分の実家で過ごし、あまり協力できなかったことが心残りでした。それに妻の「育休を取ってくれたら助かる」という言葉に背中を押されて、上司に話しました。上司も同僚も理解のある人たちで、とても助かりました。1か月の育休でしたが、生まれたての娘の日々の成長をしっかり感じることができたし、僕は主に上の娘をフォローするように意識していて、いい経験になりました。

妻の「うれしい」「ありがとう」が励みになる

妻の「うれしい」「ありがとう」が励みになる

―家事もされているんですか?

そうですね、毎日の朝ご飯と弁当作り、掃除機をかけています。あとは手が空いている方がやる感じでしょうか。

―朝から料理と掃除をされるとは、素晴らしい。

いえいえ、妻が夜ご飯を作ってくれますし、何より育児は大変ですからね。仕事が終わって帰宅すると、子ども2人の世話をしてくれている妻がヘトヘトになっていて…。だから家事や育児を一緒に早く終わらせて、ゆっくりしたいなと思っています。

―じゃあ、帰宅してご飯を食べて、子どもたちを寝かせたら、ふたりでゆっくり過ごされる感じですか?

みんなで8時とか9時には寝てしまっています。妻が疲れているときは、寝る前にマッサージをすることもあります。

―えっ、マッサージまでされるのですか。

毎日ではないですけど、2日に1回、20分くらい。妻が喜んでくれるし、「ありがとう」と言われるのでうれしいです。僕は感謝を伝えたりするのがあまり得意じゃないから、妻を見習いたいところです。

―お子さんはまだ3歳と5か月ですが、夫婦で子育てに関して決めていることはありますか?

妻はパパっと何でも決めてしまう方で、僕はのんびり優柔不断だから、子育てに関してはどちらかというと妻が主導権を握っているかもしれません。それに、うちは妻が真面目でしっかり子育てしようというタイプ。子どもたちに対して妻が厳しくなりがちな分、僕が優しくしようという役割分担は話し合いました。あとは、娘が工作などを始めて集中したら、邪魔せずに見守るようにしています。

―子育ての楽しさって、どんなときに感じますか?

子どもが信頼して甘えてくれると、素直にうれしいです。上の子は妻には遠慮するけど、僕にはいつも「抱っこして」と言ってきて、かわいいなと思います。1か月間だけでも育休を取って、上の子の面倒をみていたことで、親子の絆も家族の絆も深まった気がします。

―永田さん自身はどんなふうに育てられましたか?

僕は姉と弟の3人兄弟で、両親は共働き。父は仕事人間でしたが、退職するまで勤めあげた父を尊敬しています。僕は好きなサッカーをさせてもらったり、大学院まで行かせてもらったたことを感謝しています。

意見は言わず、話の聞き役に徹する

意見は言わず、話の聞き役に徹する

―今は家庭の中で男性1人ということで、どんなポジションですか?

僕はみんなの話を聞く役ですかね。仕事が終わって帰宅して、ご飯を食べている間も、ずっと妻の話を聞いている感じです。今は上の娘もずいぶん話が上手になりまして、僕が帰宅して妻が話し始めると、「ねえ、静かにして!」と妻を制して娘が話そうとして、妻が「もう、私が話してるでしょ」と言ったりして…。妻としては、1日中子どもたちの相手をして、大人と話したい気持ちがたまっているのでしょう。娘もおしゃべり好きな妻に似てきたのかな(笑)。

―永田さんが聞き上手なんでしょうね。話を聞いて、「こうしてみたら」とかアドバイスすることは?

前は意見を口にしたこともありますが、それは求められていないと分かりまして(笑)。今はひたすら聞くことに徹しています。

―将来はどんな子に育ってほしいですか?

娘はまだプリキュアになりたいとか、ウサギになりたいとか言ってますが、自分のやりたいことをやってほしい。僕と妻は、大学に行って就職してというのが一般的だったけど、娘たちが全く違う道に進みたいと言っても、認めて応援してあげたいです。僕は新卒から同じ会社に勤めていますが、妻は転職を経験していて、すごいなと思っています。娘たちが好きなことをできるように、親として可能性を広げていければいいですね。

―最後に、これから子育てをする人や子育て中の人たちにメッセージをお願いします。

僕もまだ3年しか子育てを経験していない初心者ですが、子どもや家族との時間は大切にしたいと思っています。子どもはどんどん成長していくから、今この瞬間しか見られないことがたくさんあると感じていますし。それを逃さないように、楽しみながら子育てをしていきましょう。

取材後記

穏やかで懐の深い永田さんと、明るくテキパキした菜海さんは相性がピッタリ。永田さんが「妻の話を聞くときに、意見は求められていないと気付いた」というのは、まさに夫婦あるあるですね。取材のときは娘さんと楽しそうに遊んでいた菜海さんが、最後に「あー、マッサージのことまでバレちゃった…」と苦笑しつつも、「本当にいい夫なんですよ」ときちんと言葉にされることで、理想的な関係が成り立っているのだなと感じました。

インタビュアープロフィール

ライター・佐々木さん

佐々木恵美
フリーライター・エディター

福岡市出身。九州大学教育学部を卒業、ロンドン・東京・福岡にて、女性誌や新聞、Web、情報誌などの制作に携わる。特にインタビューが好きで、著名人をはじめ数千人を取材。2児の母。

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